OECD 移転価格ガイドラインには何が書かれているのか?(第1回)

みなさんこんにちは、昨夜は大雨でしたが今日は晴れて暖かくて気持ちのいい休日になりましたので、今日はテラスのあるカフェにお邪魔して執筆しています。
さて、今日は移転価格に携わる人ならアドバイザー・企業担当者を問わず、誰でも一度は聞いたことのあるOECD(Organisation for Economic Co-Operation and Development)の「移転価格ガイドライン」ですが、おなじみBEPS最終勧告を受けて2017年に大幅に改定されています。
実際、日本ではBEPS1年目の対応と重なっていることもあり、何が書いてあるのか実はあまりよく分かっていないという人が英語で読むのが苦手がプロフェッショナル陣にも多い(かくいう私もそう)と聞きましたので、私見の解釈も含めて各章の概要を記事にしていきたいと思います。
また、移転価格の業務に役に立つこともあると思い、各章の和訳をところどころ載せていきますので、訳のスタイルの好みは色々あるかと思いますが、参考訳としてご利用いただければと思います。「この翻訳意味がおかしくない?」的なご指摘やコメントも大歓迎ですので、読者の皆さんと一緒に完成度を上げていければと思っています。
まずは、OECD移転価格ガイドラインの章立てを見ていきましょう。
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- Organisation for Economic Co-Operation and Development/経済協力開発機構
- Foreword/前書
- Preface/序文
- Glossary/用語集
- Chapter I — The Arm’s Length Principle/第1章 独立企業原則
- Chapter II — Transfer Pricing Methods/第2章 移転価格算定方法
- Chapter III — Comparability Analysis/第3章 比較可能性分析
- Chapter IV — Administrative Approaches to Avoiding and Resolving Transfer Pricing Disputes/第4章 移転価格に関する紛争の回避及び解決のための税務執行アプローチ
- Chapter V — Documentation/第5章 文書化
- Chapter VI — Special Considerations for Intangibles/第6章 無形資産に対する特別の配慮
- Chapter VII — Special Considerations for Intra-Group Services/第7章 グループの無形資産に対する特別の配慮
- Chapter VIII — Cost Contribution Arrangements/第8章 費用分担取極
- Chapter IX — Transfer Pricing Aspects of Business Restructurings/第9章 事業再編に係る移転価格の側面
- Annex to the OECD Transfer Pricing Guidelines: Guidelines for Monitoring Procedures on the OECD Transfer Pricing/OECD TPガイドラインへの付録 OECD移転価格モニタリング手続きに関するガイドライン
- Guidelines and the Involvement of the Business Community/実業界の関与のためのガイドライン
- Annex I to Chapter II Sensitivity of Gross and Net Profit Indicators/第2章の付録I 粗利益と営業利益の指標の感度
- Annex II to Chapter IIExample to Illustrate the Application of the Residual Profit Split Method/第2章の付録II 残余利益分割法の適用に関する設例
- Annex III to Chapter II Illustration of Different Measures of Profits When Applying a Transactional Profit Split Method/第2章の付録III 取引単位利益分割法を適用する際の様々な利益指標
- Annex to Chapter III Example of a Working Capital Adjustment/第3章の付録 運転資本調整の例
- Annex I to Chapter IV Sample Memoranda of Understanding for Competent Authorities to Establish Bilateral Safe Harbours/☆第4章の付録 二国間セーフハーバー設定のための相互協議に理解に関するサンプルメモランダム
- Annex II to Chapter IV Guidelines for Conducting Advance Pricing Arrangements under the Mutual Agreement Procedure (MAP APAs)/第4章の付録II 相互協議手続きの事前確認取極(MAP APA)を実施するためのガイドライン
- Annex I to Chapter V Transfer Pricing Documentation – Master file/☆第5章の付録I 移転価格文書 – マスターファイル
- Annex II to Chapter V Transfer Pricing Documentation – Local file/☆第5章の付録II 移転価格文書 – ローカルファイル
- Annex III to Chapter V – Transfer Pricing Documentation — Country-by-Country Report/☆第5章の付録III 移転価格文書 – 国別報告書
- Annex IV to Chapter V — Country-by-Country Reporting Implementation Package/☆第5章の付録IV 国別報告書実施パッケージ
- Annex to Chapter VI — Examples to Illustrate the Guidance on Intangibles/☆第6章の付録 無形資産に関するガイドラインの設例
- Annex to Chapter VIII — Examples to Illustrate the Guidance on Cost Contribution Arrangements/☆第8章の付録 費用分担取極に関するガイドラインの設例
- Appendix/付録
☆印は移転価格ガイドラインのタイトルまたは内容が2010年版から変更されている箇所です。
章立ての全体像としてはこのような感じになっています。まずは目次を使って全体を俯瞰して、頭の中で体系的な整理をすることが重要ですね。これは、資格試験でもよく使うテクニックと聞いていますし、実務でも使えそうですよね。
では、次回から各章の内容を少しづつ深彫りしていきましょう。
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