移転価格事務運営要領(事務運営指針)全文【令和4年6月10日改正】

国税庁が令和4年6月10日付けで公表した移転価格事務運営指針最新版の全文閲覧・検索向け記事(資料)となります。なお、本資料は弊社サービス向け社内資料を一般向けに改訂し公開したものです。但し、掲載日付以降の改正については必ずしも反映できていない場合がありますので、最新情報については各自国税庁ホームページ等でのご確認いただくようお願い致します。(最終更新日:2025年9月8日)
第1章 総則
1-1 定義
この指針は、租税特別措置法(以下「措置法」という。)第66条の4《国外関連者との取引に係る課税の特例》及び第66条の4の3《国外関連者との取引に係る課税の特例に係るなお書き等の規定の適用》並びにこれらに関連する法令の規定(以下これらを総称して「移転価格税制」という。)の円滑かつ適切な執行を図るため、移転価格税制に係る事務運営の基本的事項を定めるものとする。
(注) この指針において「国外関連者」とは、措置法第66条の4第1項に規定する国外関連者をいう。
1-1 この事務運営指針において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。
(1) 法 法人税法をいう。
(2) 措置法 租税特別措置法をいう。
(3) 令和2年改正法 所得税法等の一部を改正する法律(令和2年法律第8号)をいう。
(4) 旧法 令和2年改正法第3条(法人税法の一部改正)の規定による改正前の法をいう。
(5) 旧措置法 令和2年改正法第16条(租税特別措置法の一部改正)の規定による改正前の措置法をいう。
(6) 手続通達 国税通則法第7章の2(国税の調査)関係通達をいう。
(7) 基本通達 法人税基本通達をいう。
(8) 措置法通達 租税特別措置法関係通達(法人税編)をいう。
(9) 調査 手続通達1-1(「調査」の意義)に定める調査をいう。
(10) 行政指導 手続通達1-2(「調査」に該当しない行為)に定める調査に該当しない行為をいう。
(11) 移転価格税制 措置法第66条の4(国外関連者との取引に係る課税の特例)の規定(第3項を除く。)をいう。
(12) 連結法人 旧法第2条第12号の7の2(定義)に規定する連結法人をいう。
(13) 連結親法人 旧法第2条第12号の6の7に規定する連結親法人をいう。
(14) 連結子法人 旧法第2条第12号の7に規定する連結子法人をいう。
(15) 確定申告書 法第2条第31号に規定する確定申告書及びこれに添付することとされている書類をいう。
(16) 事業年度 法第13条(事業年度の意義)に規定する事業年度をいう。
(17) 連結事業年度 旧法第15条の2(連結事業年度の意義)に規定する連結事業年度をいう。
(18) 国外関連者 措置法第66条の4第1項及び旧措置法第68条の88第1項(連結法人の国外関連者との取引に係る課税の特例)に規定する国外関連者をいう。
(19) 国外関連取引 措置法第66条の4第1項及び旧措置法第68条の88第1項に規定する国外関連取引をいう。
(20) 独立企業間価格 措置法第66条の4第1項に規定する独立企業間価格をいう。
(21) 独立企業間価格の算定方法 措置法第66条の4第2項各号に掲げる方法をいう。
(22) 非関連者 措置法第66条の4第1項に規定する特殊の関係にない者をいう。
(23) 非関連者間取引 措置法通達66の4(2)-1(最も適切な算定方法の選定に当たって留意すべき事項)に定める非関連者間取引をいう。
(24) 比較可能性 措置法通達66の4(2)-1(4)に掲げる「国外関連取引と非関連者間取引との類似性の程度」をいう。
(25) 比較対象取引 措置法通達66の4(3)-1(比較対象取引の意義)に定める比較対象取引(措置法通達66の4(3)-1(5)に掲げる取引を除く。)をいう。
(26) 独立価格比準法 措置法第66条の4第2項第1号イに掲げる方法をいう。
(27) 再販売価格基準法 措置法第66条の4第2項第1号ロに掲げる方法をいう。
(28) 原価基準法 措置法第66条の4第2項第1号ハに掲げる方法をいう。
(29) 基本三法 独立価格比準法、再販売価格基準法及び原価基準法をいう。
(30) 準ずる方法 措置法第66条の4第2項第1号ニに掲げる方法(措置法施行令第39条の12第8項第1号から第6号まで(国外関連者との取引に係る課税の特例)に掲げる方法を除く。)をいう。
(31) 同等の方法 措置法第66条の4第2項第2号に規定する方法をいう。
(32) 利益分割法 措置法施行令第39条の12第8項第1号に掲げる方法をいう。
(33) 残余利益分割法 利益分割法のうち措置法施行令第39条の12第8項第1号ハに掲げる方法をいう。
(34) 取引単位営業利益法 措置法施行令第39条の12第8項第2号から第5号までに掲げる方法をいう。
(35) ディスカウント・キャッシュ・フロー法 措置法施行令第39条の12第8項第6号に掲げる方法をいう。
(36) 無形資産 措置法第66条の4第7項第2号に規定する無形資産をいう。
(37) 租税条約 法第2条第12号の19ただし書に規定する条約をいう。
(38) 租税条約等実施特例法 租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律をいう。
(39) 相互協議 租税条約の規定に基づく我が国の権限ある当局と外国の権限ある当局との協議をいう。
(40) 事前確認 税務署長又は国税局長が、国外関連取引に係る独立企業間価格の算定方法及びその具体的内容(以下「独立企業間価格の算定方法等」という。)について確認を行うことをいう。
(41) 事前確認審査 局担当課(必要に応じて庁担当課を含む。)が行う事前確認の申出に係る審査をいう。
(42) 事前相談 事前確認を受けようとする法人が、事前確認の申出前に、独立企業間価格の算定方法等について局担当課(必要に応じて庁担当課及び庁相互協議室を含む。)と行う相談(代理人を通じた匿名の相談を含む。)をいう。
(43) 局担当課 国税局課税第二部(金沢、高松及び熊本国税局にあっては、課税部)法人課税課及び沖縄国税事務所法人課税課(以下「局法人課税課」という。)又は東京及び大阪国税局調査第一部事前確認審査課、名古屋国税局調査部国際調査課、関東信越国税局調査査察部国際調査課、札幌、仙台、金沢、広島、高松、福岡及び熊本国税局調査査察部調査管理課並びに沖縄国税事務所調査課(以下「局調査課」という。)をいう。
(44) 庁担当課 国税庁課税部法人課税課又は国税庁調査査察部調査課をいう。
(45) 庁相互協議室 国税庁長官官房国際業務課相互協議室をいう。
1-2 基本方針
1-2 移転価格税制に係る事務については、この税制が独立企業原則に基づいていることに配意し、適正に行っていく必要がある。このため、次に掲げる基本方針に従って当該事務を運営する。
(1) 法人の国外関連取引に付された価格が非関連者間取引において通常付された価格となっているかどうかを十分に検討し、問題があると認められる国外関連取引を把握した場合には、市場の状況及び業界情報等の幅広い事実の把握に努め、独立企業間価格の算定方法・比較対象取引の選定や差異調整等について的確な調査を実施する。
(2) 独立企業間価格の算定方法等に関し、法人の申出を受け、また、当該申出に係る相互協議の合意がある場合にはその内容を踏まえ、事前確認を行うことにより、当該法人の予測可能性を確保し、移転価格税制の適正・円滑な執行を図る。
(3) 移転価格税制に基づく課税により生じた国際的な二重課税の解決には、移転価格に関する各国税務当局による共通の認識が重要であることから、調査又は事前確認審査に当たっては、必要に応じOECD移転価格ガイドラインを参考にし、適切な執行に努める。
1-3 別添
1-3 別冊「移転価格税制の適用に当たっての参考事例集」は、一定の前提条件を置いた設例に基づいて移転価格税制上の取扱いを取りまとめたものである。このため、別冊で取り上げた事例以外の事例があることはもとより、類似の事例であっても、前提条件が異なることにより移転価格税制上の取扱いが異なり得ることに留意の上、これを参考にして当該税制に係る事務を適切に行う。
第2章 国別報告事項、事業概況報告事項及びローカルファイル
2-1 国別報告事項の適切な使用
2-1 措置法第66条の4の4第1項及び第2項(特定多国籍企業グループに係る国別報告事項の提供)の規定により提供される国別報告事項(同条第1項に規定する国別報告事項をいう。以下同じ。)並びに特定多国籍企業グループ(同条第4項第3号に規定する特定多国籍企業グループをいう。以下同じ。)の最終親会社等(同条第4項第5号に規定する最終親会社等をいう。以下同じ。)又は代理親会社等(同条第4項第6号に規定する代理親会社等をいう。以下同じ。)の居住地国(同条第4項第8号に規定する国又は地域をいい、同号イ及びロに定めるものに限る。以下同じ。)から提供される国別報告事項に相当する情報については、課税上の問題の把握及び統計のために使用し、国別報告事項及び国別報告事項に相当する情報のみに基づいて、独立企業間価格の算定を行うことはできないことに留意する。
措置法第66条の4の4《国外関連者との取引に係る課税の特例に係る提出書類の特例》第1項若しくは第2項又は第4項若しくは第5項の規定(以下「国別報告事項等の提供義務等」という。)の適用に当たり、その判定の基礎となる多国籍企業グループの総収入金額は、最終親会計年度の直前の会計年度の連結財務諸表(措置法令第39条の12の4第2項《国外関連者との取引に係る課税の特例に係る提出書類の特例》に規定する連結財務諸表をいう。以下2-1において同じ。)により算出することに留意する。
なお、当該連結財務諸表が作成されていない場合には、措置法第66条の4の4第1項に規定する最終親会社等(以下「最終親会社等」という。)が、当該最終親会社等及びその関係会社等(当該最終親会社等に係る措置法令第39条の12の4第1項各号に掲げる者をいう。以下同じ。)の財務諸表(連結財務諸表を除く。)に基づき作成した書類により算出することに留意する。
2-2 国別報告事項及び事業概況報告事項の訂正等
2-2 署法人課税部門(税務署において法人税に関する事務を所掌する部門をいう。以下同じ。)又は局文書化制度担当課(局法人課税課、東京及び大阪国税局調査第一部国際調査管理課、名古屋国税局調査部国際調査管理課、関東信越国税局調査査察部国際調査課、札幌、仙台、金沢、広島、高松、福岡及び熊本国税局調査査察部調査管理課、沖縄国税事務所調査課並びに局調査担当部門(国税局調査(査察)部及び沖縄国税事務所調査課において法人税の調査・指導事務を所掌する部門をいう。)をいう。以下第2章において同じ。)は、特定多国籍企業グループの構成会社等(措置法第66条の4の4第4項第4号に規定する構成会社等をいう。)である内国法人又は恒久的施設を有する外国法人から提供された国別報告事項又は事業概況報告事項(措置法第66条の4の5第1項(特定多国籍企業グループに係る事業概況報告事項の提供)に規定する事業概況報告事項をいう。以下同じ。)に誤り又は不備がある場合には、当該国別報告事項又は当該事業概況報告事項を提供した当該内国法人又は当該恒久的施設を有する外国法人に対し、速やかに訂正又は補正を求める。
2-3 国別報告事項に相当する情報に誤り等がある場合
2-3 署法人課税部門又は局文書化制度担当課は、特定多国籍企業グループの最終親会社等又は代理親会社等の居住地国から提供された国別報告事項に相当する情報に誤り又は不備がある場合には、速やかに庁担当課に連絡する(署法人課税部門は、局法人課税課を通じて庁担当課に連絡する。)。
2-4 ローカルファイル
2-4
(1) 法人が、当該事業年度において当該法人に係る国外関連者との取引を行う際に、又は当該法人の当該事業年度の法第74条第1項(確定申告)若しくは第144条の6第1項若しくは第2項(確定申告)の規定による申告書を提出する際に利用可能である最新の情報に基づいて、措置法第66条の4第6項に規定する独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類(同条第7項の規定の適用があるものを除き、電磁的記録を含む。以下2-4及び3-4から3-6までにおいて「ローカルファイル」という。)を作成し、又は取得している場合には、当該ローカルファイルは同条第6項の規定に従って作成されたものであることに留意する。
(2) 法人が、当該法人に係る国外関連者が作成したローカルファイルに相当する書類(電磁的記録を含む。以下同じ。)を当該法人のローカルファイルとして使用する場合、当該法人と当該国外関連者の決算期が異なることから生ずるローカルファイルとローカルファイルに相当する書類の作成時期に係る差異については、調整を要しない。
(3) 法人が行う同時文書化対象国外関連取引(同条第11項に規定する同時文書化対象国外関連取引をいう。以下同じ。)について、調査において、当該法人に係る国外関連者から支払を受ける対価の額又は当該法人が当該国外関連者に支払う対価の額が独立企業間価格かどうかの検討を行う前に、当該法人に対し、措置法施行規則第22条の10第6項第2号ロ(国外関連者との取引に係る課税の特例)に規定する比較対象取引等の財務情報の更新を求めないことに留意する。
第3章 調査
3-1 調査の方針
調査に当たっては、措置法通達66の4(3)-3(比較対象取引の選定に当たって検討すべき諸要素等)に掲げる諸要素等に基づいて国外関連取引の内容等を的確に把握し、形式的な検討に陥ることなく個々の取引実態に即した検討を行って移転価格税制上の問題の有無を的確に判断する。この場合においては、当該国外関連取引を行った法人が当該国外関連取引を行うこと以外に選ぶことのできる合理的な他の選択肢の条件と比べて当該国外関連取引の条件が当該法人の事業目的に照らして明らかに不利な条件になっていないか配意するとともに、例えば次の事項に配意して当該国外関連取引を検討する。
(1) 法人の国外関連取引に係る売上総利益率又は営業利益率等(以下「利益率等」という。)が、同様の市場における非関連者間取引のうち、規模、取引段階その他の内容が類似する取引に係る利益率等に比べて過少となっていないか。
(2) 法人の国外関連取引に係る利益率等が、当該国外関連取引に係る事業と同種で、規模、取引段階その他の内容が類似する事業を営む非関連者である他の法人の当該事業に係る利益率等に比べて過少となっていないか。
(3) 法人及び国外関連者が国外関連取引において果たす機能又は負担するリスク等を勘案した結果、当該法人の当該国外関連取引に係る利益が、当該国外関連者の当該国外関連取引に係る利益に比べて相対的に過少となっていないか。
3-2 調査に当たり配意する事項
3-2 国外関連取引の検討は、確定申告書及び調査等により収集した書類等を基に行う。
独立企業間価格の算定を行うまでには、個々の取引実態に即した多面的な検討を行うこととし、例えば次の(1)から(3)までにより、移転価格税制上の問題の有無について検討し、効果的な調査展開を図る。
(1) 法人の国外関連取引に係る事業と同種で、規模、取引段階その他の内容がおおむね類似する複数の非関連者間取引(以下「比較対象取引の候補と考えられる取引」という。)に係る利益率等の範囲内に、国外関連取引に係る利益率等があるかどうかを検討する。
(2) 国外関連取引に係る棚卸資産等が一般的に需要の変化、製品のライフサイクル等により価格が相当程度変動することにより、各事業年度又は連結事業年度の情報のみで検討することが適切でないと認められる場合には、当該事業年度又は連結事業年度の前後の合理的な期間における当該国外関連取引又は比較対象取引の候補と考えられる取引の対価の額又は利益率等の平均値等を基礎として検討する。
(3) 国外関連取引に係る対価の額が当該国外関連取引に係る取引条件等の交渉において決定された過程等について、次の点も考慮の上、十分検討する。
イ 法人及びその国外関連者が国外関連取引に係るそれぞれの事業の業績を適切に評価するために、独立企業原則を考慮して当該国外関連取引に係る対価の額を決定する場合があること。
ロ 法人又は国外関連者が複数の者の共同出資により設立されたものである場合には、その出資者など国外関連取引の当事者以外の者が当該国外関連取引に係る取引条件等の交渉の当事者となる場合があること。また、当該交渉において独立企業原則を考慮した交渉が行われる場合があること。
(注) 国外関連取引に係る対価の額が厳しい価格交渉によって決定されたという事実、国外関連取引の当事者以外の者が当該国外関連取引に係る取引条件等の交渉の当事者となっている事実又は国外関連取引に係る契約の当事者に法人及び国外関連者以外の者が含まれているという事実のみでは、当該国外関連取引が非関連者間取引と同様の条件で行われた根拠とはならないことに留意する。
3-3 別表17(4)の添付状況の検討
3-3 国外関連取引を行う法人が、その確定申告書に「国外関連者に関する明細書」(法人税申告書別表17(4))を添付していない場合又は当該別表の記載内容が十分でない場合には、当該別表の提出を督促し、又はその記載の内容について補正を求めるとともに、当該国外関連取引の内容について一層的確な把握に努める。
3-4 調査時に検討を行う書類
3-4 調査においては、例えば次に掲げる書類(帳簿その他の資料を含む。)から国外関連取引の実態を的確に把握し、移転価格税制上の問題があるかどうかを判断する。
(1) 法人及び国外関連者ごとの資本関係及び事業内容を記載した書類
イ 法人及び関連会社間の資本及び取引関係を記載した書類
ロ 法人及び国外関連者の沿革及び主要株主の変遷を記載した書類
ハ 法人にあっては有価証券報告書又は計算書類その他事業内容を記載した書類、国外関連者にあってはそれらに相当する書類
ニ 法人及び国外関連者の主な取扱品目及びその取引金額並びに販売市場及びその規模を記載した書類
ホ 法人及び国外関連者の事業別の業績、事業の特色、各事業年度の特異事項等その事業の内容を記載した書類
(2) 措置法施行規則第22条の10第6項第1号において国外関連取引の内容を記載した書類として掲げる書類
(3) 同項第2号において独立企業間価格を算定するための書類として掲げる書類
(4) その他の書類
イ 法人及び国外関連者の経理処理基準の詳細を記載した書類
ロ 外国税務当局による国外関連者に対する移転価格に係る調査の内容を記載した書類
ハ 国外関連者が、ローカルファイルに相当する書類を作成している場合(法人が当該国外関連者との取引に係るローカルファイルに相当する書類に記載された事項についてローカルファイルを作成している場合を除く。)の当該書類
ニ その他必要と認められる書類
(注) 必要に応じて、事業概況報告事項及び国別報告事項を参照する。
3-5 推定規定又は同業者に対する質問検査規定の適用に当たっての留意事項
3-5 法人に対しローカルファイル、同時文書化対象国外関連取引に係る独立企業間価格(措置法第66条の4第8項本文の規定により当該独立企業間価格とみなされる金額を含む。)を算定するために重要と認められる書類(電磁的記録を含む。以下3-5において同じ。)若しくは同条第14項に規定する同時文書化免除国外関連取引に係る独立企業間価格(同条第8項本文の規定により当該独立企業間価格とみなされる金額を含む。)を算定するために重要と認められる書類(電磁的記録を含む。以下3-5において同じ。)又はこれらの写し(以下3-6までにおいて「移転価格文書」という。)の提示又は提出を求めた場合において、当該法人から当該職員が指定する日までに移転価格文書の提示又は提出がなかったときは、同条第12項及び第17項又は第14項及び第18項の規定を適用することができるのであるが、これらの規定の適用に当たっては、次の事項に配意する。
(1) 独立企業間価格(同条第8項本文の規定により独立企業間価格とみなされる金額を含む。以下3-5において同じ。)を算定するために、移転価格文書の提示又は提出を求める場合には、法人に対し、「期日までに移転価格文書の提示又は提出がないときは、措置法第66条の4第12項及び第17項又は第14項及び第18項の規定の適用要件を満たす」旨を説明するとともに、当該説明を行った事実及びその後の当該法人からの提示又は提出の状況を記録する。
(2) (1)の提示又は提出を求める場合には、法人に対し、ローカルファイルについては45日を超えない範囲内において、また、同時文書化対象国外関連取引に係る独立企業間価格を算定するために重要と認められる書類及び同時文書化免除国外関連取引に係る独立企業間価格を算定するために重要と認められる書類については60日を超えない範囲内において期日を指定して当該提示又は提出を求める。
(注)1 当該期日は、当該法人の意見を聴取した上で当該提示又は提出の準備に通常要する日数を勘案して指定する。
2 法人に対し、移転価格文書の提示又は提出を求める場合には、ローカルファイル、同時文書化対象国外関連取引に係る独立企業間価格を算定するために重要と認められる書類及び同時文書化免除国外関連取引に係る独立企業間価格を算定するために重要と認められる書類を区分した上で、これらの書類の提示又は提出を求めることに留意する。
(3) 当該期日までに移転価格文書の提示又は提出がなかった場合には、法人に対し、「移転価格文書が期日までに提示又は提出されなかったため措置法第66条の4第12項及び第17項又は第14項及び第18項の規定の適用要件を満たす」旨を説明する。
(4) 当該期日までに移転価格文書の提示又は提出がなかったことにつき合理的な理由が認められる場合は、当該法人の意見を再聴取し、期日を指定する。
なお、再聴取して指定した期日までに移転価格文書に該当するものとして提示又は提出された書類(電磁的記録を含む。以下同じ。)があり、当該書類を総合的に検討した結果、独立企業間価格の算定ができる場合には、同条第12項及び第17項又は第14項及び第18項の規定の適用をしないことに留意する。
(注) 法人が、指定された期日までに当該提示又は提出をできなかったことにつき合理的な理由が認められる場合には、例えば、当該法人が災害によりこれをできなかった場合が該当する。
(5) 法人から移転価格文書に該当するものとして提示又は提出された書類を総合的に検討して独立企業間価格の算定ができるかどうかを判断するのであるが、当該判断の結果、当該書類に基づき独立企業間価格を算定することができず、かつ、同条第12項及び第17項又は第14項及び第18項の規定の適用がある場合には、当該法人に対しその理由を説明する。
(注) 当該書類が不正確な情報等に基づき作成されたものである場合には、当該書類の提示又は提出については、移転価格文書の提示又は提出には該当しない。
この場合には、当該法人に対し、正確な情報等に基づき作成した移転価格文書を速やかに提示又は提出するよう求めるものとする。
(6) 同条第17項又は第18項の規定を適用して把握した非関連者間取引を比較対象取引として選定した場合には、当該選定のために用いた条件、当該比較対象取引の内容、差異の調整方法等を法人に対し十分説明するのであるが、この場合には、国税通則法第126条(職員の守秘義務規定)の規定に留意するとともに、当該説明を行った事実を記録する。
3-6 特定無形資産国外関連取引に係る価格調整措置の適用免除規定の検討に当たっての留意事項
3-6 調査において措置法第66条の4第8項の規定が適用されるかどうかの検討に当たっては、同条第9項又は第10項の規定の適用があるかどうかを確認するため、法人に対し同条第9項又は第10項の規定の適用があることを明らかにする書類(電磁的記録を含む。以下3-6において同じ。)又はその写し(以下3-6において「適用免除書類」という。)の提示又は提出を求めることとし、当該適用免除書類の提示又は提出を求めるに当たっては、次の事項に配意する。
なお、当該適用免除書類が移転価格文書に該当する場合には、3-5に定める所要の処理を併せて行うことに留意する。
(1) 法人に対し、「期日までに適用免除書類の提示又は提出がないときは、措置法第66条の4第9項又は第10項の規定の適用要件を満たさない」旨を説明するとともに、当該説明を行った事実及びその後の当該法人からの提示又は提出の状況を記録する。
(2) 法人に対し、適用免除書類のうちローカルファイルに該当するものについては45日を超えない範囲内において、ローカルファイルに該当しないものについては60日を超えない範囲内において期日を指定して当該提示又は提出を求める。
(注)1 当該期日は、当該法人の意見を聴取した上で当該提示又は提出の準備に通常要する日数を勘案して指定する。
2 当該適用免除書類は、同条第9項又は第10項それぞれの規定の適用を明らかにする書類ごとに区分した上で、提示又は提出を求めることに留意する。
(3) 当該期日までに適用免除書類の提示又は提出がなかった場合には、法人に対し、「適用免除書類が期日までに提示又は提出されなかったため措置法第66条の4第9項又は第10項の規定の適用要件を満たさない」旨を説明する。
(4) 当該期日までに適用免除書類の提示又は提出がなかったことにつき合理的な理由が認められる場合は、当該法人の意見を再聴取し、期日を指定する。
(注) 法人が、指定された期日までに当該提示又は提出をできなかったことにつき合理的な理由が認められる場合には、例えば、当該法人が災害によりこれをできなかった場合が該当する。
(5) 法人から適用免除書類に該当するものとして提示又は提出された書類を総合的に検討して同条第9項又は第10項の規定の適用要件を満たすかどうかを判断するのであるが、当該判断の結果、同条第9項又は第10項の規定の適用要件を満たさないと認められる場合には、当該法人に対しその理由を説明する。
(注) 当該書類が、特定無形資産国外関連取引(同条第8項に規定する特定無形資産国外関連取引をいう。4-15において同じ。)が行われた時における入手可能な情報等に照らして、不正確な情報等に基づき作成されたものである場合には、当該書類の提示又は提出については、適用免除書類の提示又は提出には該当しない。
この場合には、当該法人に対し、正確な情報等に基づき作成した適用免除書類を速やかに提示又は提出するよう求めるものとする。
3-7 金融取引
3-7 法人と国外関連者との間で行われた金銭の貸借取引その他の金融取引(以下「金融取引」という。)について調査を行う場合には、次に掲げる事項に留意し、措置法通達66の4(3)-3に掲げる諸要素等に基づいて、当該金融取引の通貨、時期、期間その他の当該金融取引の内容等を的確に把握し、移転価格税制上の問題の有無を検討する。
(1) 法人と国外関連者との間で行われた金銭の貸借取引について調査を行う場合には、措置法通達66の4(8)-5(金銭の貸付け又は借入れの取扱い)の諸要因に配意すること。
(注)1 基本通達9-4-2(子会社等を再建する場合の無利息貸付け等)の適用がある金銭の貸付けについては、移転価格税制の適用上も適正な取引として取り扱う。
2 国外関連取引において返済期日が明らかでない場合には、当該金銭貸借の目的等に照らし、金銭貸借の期間を合理的に算定する。
(2) 法人と国外関連者との間で行われた債務保証等(一方の者による他方の者の債務の保証その他これに類する行為をいう。以下同じ。)について調査を行う場合には、当該債務保証等の対象である債務の性質及び範囲並びに当該債務保証等が当該法人又は当該国外関連者に与える影響に配意すること。
(注) 債務保証等が法人又は国外関連者に与える影響について検討する場合には、例えば、債務保証等を行った一方の者が、当該債務保証等の対象である債務の主たる債務者である他方の者がその債務を履行しない場合に当該他方の者に代わってその履行をする法的な責任を負っているかどうか、当該債務保証等により当該他方の者の信用力が増しているかどうかを検討する。
(3) 金融取引に関連して、法人及び国外関連者が属する企業グループのキャッシュ・フロー、支払能力及び為替リスクの管理並びに資金の調達及び運用その他の財務上の活動(これらの活動に付随して行われる利害関係者間の調整、代理その他の活動を含む。)を当該法人又は当該国外関連者が行っている場合の当該活動の取扱いについて検討を行うに当たっては、3-10及び3-11の取扱いも踏まえて行うこと。
(注) 当該活動を通じて移転される当該法人及び当該国外関連者の資金残高を含む当該活動に係る全体の状況に配意し、当該活動を通じて当該法人及び当該国外関連者が意図的に協調することにより生ずる当該企業グループ内の相互作用により当該法人及び当該国外関連者の支払うべき利息の減少又は受け取るべき利息の増加その他の便益(以下「相互作用による共通便益」という。)が生じているかどうかの検討も行うことに留意する。
3-8 金融取引に係る独立企業間価格の検討を行う場合の留意事項
3-8 金融取引に係る独立企業間価格の検討を行う場合には、3-7による検討を踏まえ、次に掲げる事項に留意し、4-1に基づき金融取引の対価の額が最も適切な方法(措置法第66条の4第2項に規定する「最も適切な方法」をいう。以下同じ。)により算定されているか検討する。
(1) 金融取引に係る比較対象取引を現実に行われる取引の中から見いだすことが困難な場合で、金融市場における利率その他の現実に行われる取引に依拠した客観的な指標(以下「市場金利等」という。)で当該金融取引と通貨、時期、期間、信用力その他の比較可能性に影響を与える要素が同様の状況の下にあるものにより当該金融取引に係る比較対象取引を想定することができるときは、当該市場金利等を用いて想定した取引を比較対象取引とすることができること。
(2) 取引の当事者に係る信用力の比較可能性を検討する場合には、当該当事者の信用格付その他の信用状態の評価の結果を表す指標(以下「信用格付等」という。)を用いることができること。
(注)1 例えば、金銭の貸借取引の借手が企業グループに属している事実のみを理由として、当該借手に当該事実がなかったとした場合の信用格付等と比較して高い信用格付等が与えられるときのように、取引の当事者が企業グループに属している事実のみを理由とした付随的な便益(以下「付随的便益」という。)が生じている場合があるが、当該付随的便益自体に対価が発生するものではないことに留意する。
2 信用格付等を基に取引の当事者に係る信用力の比較可能性を判断する場合には、法人又は国外関連者が企業グループに属していないとした場合の単独の信用格付等を基に判断するのではなく、付随的便益を加味した結果引き上げられた高い信用格付等を基に判断することに留意する。
(3) 例えば、金銭の貸借取引に係るリスクを管理するための能力を有していない、又は意思決定の機能を果たしていない、単に資金の提供を行うだけの貸手に対して借手が対価を支払う場合には、銀行間取引金利、金利スワップレート又は国債等により運用するとした場合に得られるであろう利率その他スプレッド(一方の者が他方の者の信用リスクを引き受ける場合に得るべき利益に相当する利率等(金利その他これに類する指標をいう。以下3-8において同じ。)をいい、当該一方の者が当該信用リスクを引き受ける場合の管理費用その他の費用に相当する部分及び当該信用リスクに相当する部分を含む。以下3-8において同じ。)が零の、又は概ね零に近い市場金利等(以下「リスクフリー利率」という。)を用いて想定した取引を比較対象取引とすることができること。
(4) リスクフリー利率にスプレッドを加算した利率等を用いて想定した取引を比較対象取引として用いることができること。
(5) 非関連者である銀行等に照会して取得した見積り上の利率又はスプレッドのように現実に行われる取引に依拠しない指標は、市場金利等には該当しないこと。
(注) 法人が現実に行われる取引に依拠しない指標を用いて想定した取引を比較対象取引として国外関連取引に係る対価の額を算定している場合であっても、そのことのみをもって当該国外関連取引について措置法第66条の4第1項の規定の適用がある場合に該当することにはならないことに留意する。
(6) 法人と国外関連者との間で行われた債務保証等については、例えば、次に掲げる事項を勘案して想定した取引を比較対象取引とすることができること。
イ 債務保証等の対象である債務の主たる債務者が、当該債務保証等が行われていないとした場合と当該債務保証等が行われた場合のそれぞれにおいて当該債務に係る債権者に対して支払うべき利息その他これに類する支払いに係る利率等の差
ロ 債務保証等の対象である債務の不履行が生ずる場合に当該債務保証等を行った者が負担するべき損失の額(当該債務の不履行が生ずる確率を勘案して算定される損失の額をいう。)の当該債務の額に対する割合
ハ 一方の者が金銭を支払い、これに対してあらかじめ定めた第三者の信用状態に係る事由(債務の不履行その他これに類する事由をいう。)が生じた場合に、他方の者が金銭を支払うことを約するデリバティブ取引に係るスプレッドのうち当該債務保証等の対象となる債務に係る信用リスクと同様の信用リスクに相当するもの
(7) 金融取引に関連する財務上の活動について独立企業間価格の検討を行う場合において、3-7(3)の検討により相互作用による共通便益が生じていると認められるときは、当該相互作用による共通便益の額が独立企業原則に即して当該法人及び当該国外関連者に適切に配分されているか検討する必要があること。
(注) 相互作用による共通便益の額が独立企業原則に即して法人及び国外関連者に適切に配分されているかどうかは、例えば、当該法人及び当該国外関連者それぞれの当該相互作用による共通便益の発生に寄与した程度を推測するに足りる要因に応じて配分されているかどうかにより検討することができることに留意する。
3-9 役務提供
3-9 役務提供について調査を行う場合には、次の点に留意する。
(1) 役務提供を行う際に無形資産を使用しているにもかかわらず、当該役務提供の対価の額に無形資産の使用に係る部分が含まれていない場合があること。
(注) 無形資産が役務提供を行う際に使用されているかどうかについて調査を行う場合には、役務の提供と無形資産の使用は概念的には別のものであることに留意し、役務の提供者が当該役務提供時にどのような無形資産を用いているか、当該役務提供が役務の提供を受ける法人の活動、機能等にどのような影響を与えているか等について検討を行う。
(2) 役務提供が有形資産又は無形資産の譲渡等に併せて行われており、当該役務提供に係る対価の額がこれらの資産の譲渡等の価格に含まれている場合があること。
3-10 企業グループ内における役務提供の取扱い
3-10
(1) 次に掲げる経営、技術、財務又は営業上の活動その他の法人が行う活動が国外関連者に対する役務提供に該当するかどうかは、当該活動が当該国外関連者にとって経済的又は商業的価値を有するものかどうかにより判断する。具体的には、法人が当該活動を行わなかったとした場合に、国外関連者が自ら当該活動と同様の活動を行う必要があると認められるかどうか又は非関連者が他の非関連者から法人が行う活動と内容、時期、期間その他の条件が同様である活動を受けた場合に対価を支払うかどうかにより判断する。
イ 企画又は調整
ロ 予算の管理又は財務上の助言
ハ 会計、監査、税務又は法務
ニ 債権又は債務の管理又は処理
ホ 情報通信システムの運用、保守又は管理
へ キャッシュ・フロー又は支払能力の管理
ト 資金の運用又は調達
チ 利子率又は外国為替レートに係るリスク管理
リ 製造、購買、販売、物流又はマーケティングに係る支援
ヌ 雇用、教育その他の従業員の管理に関する事務
ル 広告宣伝
(注) 「法人が行う活動」には、法人が国外関連者の要請に応じて随時活動を行い得るよう定常的に当該活動に必要な人員や設備等を利用可能な状態に維持している場合が含まれることに留意する。
(2) 法人が行う活動と非関連者が国外関連者に対して行う活動又は国外関連者が自らのために行う活動との間で、その内容において重複(一時的に生ずるもの及び事実判断の誤りに係るリスクを軽減させるために生ずるものを除く。)がある場合には、当該法人が行う活動は、国外関連者に対する役務提供に該当しない。
(3) 国外関連者の株主又は出資者としての地位を有する法人(以下(3)において「親会社」という。)が行う活動であって次に掲げるもの(当該活動の準備のために行われる活動を含む。)は、国外関連者に対する役務提供に該当しない。
イ 親会社が発行している株式の金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第16項(定義)に規定する金融商品取引所への上場
ロ 親会社の株主総会の開催、株式の発行その他の親会社に係る組織上の活動であって親会社がその遵守すべき法令に基づいて行うもの
ハ 親会社による金融商品取引法第24条第1項(有価証券報告書の提出)に規定する有価証券報告書の作成(親会社が有価証券報告書を作成するために親会社としての地位に基づいて行う国外関連者の会計帳簿の監査を含む。)又は親会社による連結財務諸表(措置法第66条の4の4第4項第1号に規定する連結財務諸表をいう。以下同じ。)の作成その他の親会社がその遵守すべき法令に基づいて行う書類の作成
ニ 親会社が国外関連者に係る株式又は出資の持分を取得するために行う資金調達
ホ 親会社が当該親会社の株主その他の投資家に向けて行う広報
ヘ 親会社による国別報告事項に係る記録の作成その他の親会社がその遵守すべき租税に関する法令に基づいて行う活動
ト 親会社が会社法(平成17年法律第86号)第348条第3項第4号(業務の執行)に基づいて行う企業集団の業務の適正を確保するための必要な体制の整備その他のコーポレート・ガバナンスに関する活動
チ その他親会社が専ら自らのために行う国外関連者の株主又は出資者としての活動
(注)1 例えば、親会社が国外関連者に対して行う特定の業務に係る企画、緊急時の管理若しくは技術的助言又は日々の経営に関する助言は、イからチまでに掲げる活動には該当しないことから、これらが(1)に定めるとおり当該国外関連者にとって経済的又は商業的価値を有するものである場合((2)に該当する場合を除く。2において同じ。)には、国外関連者に対する役務提供に該当する。
2 親会社が国外関連者に対する投資の保全を目的として行う活動についても、(1)に定めるとおり当該国外関連者にとって経済的又は商業的価値を有するものである場合には、国外関連者に対する役務提供に該当する。
(4) 国外関連者が行う活動が法人に対する役務提供に該当するかどうかについては、(1)及び(2)と同様の方法により判断する。また、法人の株主又は出資者としての地位を有する国外関連者が行う活動が当該法人に対する役務提供に該当するかどうかについては、(3)と同様の方法により判断する。
(5) 法人が国外関連者に対し支払うべき役務提供に係る対価の額の妥当性を検討するため、当該法人に対し、当該役務提供の内容等が記載された書類の提示又は提出を求めることとする。この場合において、当該役務提供の実態が確認できないときは、措置法第66条の4第3項の規定の適用について検討することに留意する。
(注) 「役務提供の内容等が記載された書類」には、例えば、帳簿や役務提供を行う際に作成した契約書が該当する。
3-11 企業グループ内における役務提供に係る独立企業間価格の検討
3-11
(1) 法人と国外関連者との間で行われた役務提供が次に掲げる要件の全てを満たす場合には、その対価の額を独立企業間価格として取り扱う。
イ 当該役務提供が支援的な性質のものであり、当該法人及び国外関連者が属する企業グループの中核的事業活動に直接関連しないこと。
ロ 当該役務提供において、当該法人又は国外関連者が保有し、又は他の者から使用許諾を受けた無形資産を使用していないこと。
ハ 当該役務提供において、当該役務提供を行う当該法人又は国外関連者が、重要なリスクの引受け若しくは管理又は創出を行っていないこと。
ニ 当該役務提供の内容が次に掲げる業務のいずれにも該当しないこと。
(イ) 研究開発
(ロ) 製造、販売、原材料の購入、物流又はマーケティング
(ハ) 金融、保険又は再保険
(ニ) 天然資源の採掘、探査又は加工
ホ 当該役務提供と同種の内容の役務提供が非関連者との間で行われていないこと。
へ 当該役務提供を含む当該法人及び国外関連者が属する企業グループ内で行われた全ての役務提供(イからホまでに掲げる要件を満たしたものに限る。)をその内容に応じて区分をし、当該区分ごとに、役務提供に係る総原価の額を従事者の従事割合、資産の使用割合その他の合理的な方法により当該役務提供を受けた者に配分した金額に、当該金額に100分の5を乗じた額を加算した金額をもって当該役務提供の対価の額としていること。
なお、役務提供に係る総原価の額には、原則として、当該役務提供に関連する直接費の額のみならず、合理的な配賦基準によって計算された担当部門及び補助部門における一般管理費等の間接費の額も含まれることに留意する(以下3-11において同じ。)。
(注) 法人が国外関連者に対して行った役務提供が、当該法人が自己のために行う業務と一体として行われた場合には、ヘの定めの適用に当たり当該業務を当該役務提供に含めた上で役務提供の対価の額を算定する必要があることに留意する。国外関連者が法人に対して役務提供を行った場合についても、同様とする。
ト 当該役務提供に当たり、当該法人が次に掲げる書類を作成し、又は当該法人と同一の企業グループに属する者から取得し、保存していること。
(イ) 当該役務提供を行った者及び当該役務提供を受けた者の名称及び所在地を記載した書類
(ロ) 当該役務提供がイからヘまでに掲げる要件の全てを満たしていることを確認できる書類
(ハ) ヘに定めるそれぞれの役務提供の内容を説明した書類
(ニ) 当該法人が実際に当該役務提供を行ったこと又は当該役務提供を受けたことを確認できる書類
(ホ) ヘに定める総原価の額の配分に当たって用いた方法の内容及び当該方法を用いることが合理的であると判断した理由を説明した書類
(ヘ) 当該役務提供に係る契約書又は契約の内容を記載した書類
(ト) 当該役務提供において当該法人が当該国外関連者から支払を受ける対価の額又は当該国外関連者に支払う対価の額の明細及び計算過程を記載した書類
(2) 法人と国外関連者との間で行われた役務提供((1)の定めにより、その対価の額を独立企業間価格として取り扱うものを除く。)のうち、当該法人又は国外関連者の本来の業務に付随して行われたものについて調査を行う場合には、必要に応じ、当該役務提供に係る総原価の額を独立企業間価格とする原価基準法に準ずる方法と同等の方法又は取引単位営業利益法に準ずる方法と同等の方法の適用について検討する。
この場合において、「本来の業務に付随して行われたもの」とは、例えば、海外子会社から製品を輸入している法人が当該海外子会社の製造設備に対して行う技術指導のように役務提供を主たる事業としていない法人又は国外関連者が、本来の業務に付随して又はこれに関連して行った役務提供をいう。
(注) 「本来の業務に付随して行われたもの」に該当するかどうかは、原則として、役務提供の目的等により判断するのであるが、次に掲げる場合には、本文の取扱いは適用しない。
1 当該役務提供に要した費用の額が、当該法人又は国外関連者の当該役務提供を行った事業年度の原価又は費用の総額の相当部分を占める場合
2 当該法人又は国外関連者が当該役務提供を行う際に無形資産を使用した場合
3 その他当該役務提供の総原価の額を当該役務提供の対価の額とすることが相当ではないと認められる場合
(3) 法人と国外関連者との間で行われた役務提供((1)の定めにより、その対価の額を独立企業間価格として取り扱うもの及び(2)に定める本来の業務に付随して行われたものを除く。)について調査を行う場合において、当該役務提供が次に掲げる要件の全てを満たしているときは、必要に応じ、(2)に定める方法の適用について検討する。
イ 当該役務提供が(1)イからホまでに掲げる要件の全てを満たしていること。
ロ 当該役務提供が当該法人又は国外関連者の事業活動の重要な部分に関連していないこと。
ハ 当該役務提供に係る総原価の額が、当該役務提供に係る従事者の従事割合、資産の使用割合その他の合理的な方法により当該役務提供を受けた者に配分されていること。
(注) 次に掲げる場合には、本文の取扱いは適用しない。
1 当該役務提供に要した費用の額が、当該法人又は国外関連者の当該役務提供を行った事業年度の原価又は費用の総額の相当部分を占める場合
2 その他当該役務提供の総原価の額を当該役務提供の対価の額とすることが相当ではないと認められる場合
3-12 調査において検討すべき無形資産
3-12 調査において無形資産が法人又は国外関連者の所得にどの程度寄与しているかを検討するに当たっては、例えば、次に掲げる重要な価値を有し所得の源泉となるものを総合的に勘案することに留意する。
イ 技術革新を要因として形成される特許権、営業秘密等
ロ 従業員等が経営、営業、生産、研究開発、販売促進等の企業活動における経験等を通じて形成したノウハウ等
ハ 生産工程、交渉手順及び開発、販売、資金調達等に係る取引網等
なお、法人又は国外関連者の有する無形資産が所得の源泉となっているかどうかの検討に当たり、例えば、国外関連取引の事業と同種の事業を営み、市場、事業規模等が類似する法人のうち、所得の源泉となる無形資産を有しない法人を把握できる場合には、当該法人又は国外関連者の国外関連取引に係る利益率等の水準と当該無形資産を有しない法人の利益率等の水準との比較を行うとともに、当該法人又は国外関連者の無形資産の形成に係る活動、機能等を十分に分析することに留意する。
(注) 役務提供を行う際に無形資産が使用されている場合の役務提供と無形資産の関係については、3-9(1)(注)に留意する。
3-13 無形資産の形成、維持又は発展への貢献
3-13 無形資産の使用許諾取引等について調査を行う場合には、無形資産の法的な所有関係のみならず、無形資産を形成、維持又は発展(以下「形成等」という。)させるための活動において法人又は国外関連者の行った貢献の程度も勘案する必要があることに留意する。
なお、無形資産の形成等への貢献の程度を判断するに当たっては、当該無形資産の形成等のための意思決定、役務の提供、費用の負担及びリスクの管理において法人又は国外関連者が果たした機能等を総合的に勘案する。この場合、所得の源泉となる見通しが高い無形資産の形成等において法人又は国外関連者が単にその費用を負担しているというだけでは、貢献の程度は低いものであることに留意する。
3-14 無形資産の使用許諾取引
3-14 法人又は国外関連者のいずれか一方が保有する無形資産を他方が使用している場合で、当事者間でその使用に関する取決めがないときは、譲渡があったと認められる場合を除き、当該無形資産の使用許諾取引があるものとして当該取引に係る独立企業間価格の算定を行うことに留意する。
なお、その使用許諾取引の開始時期については、非関連者間取引における例を考慮するなどにより、当該無形資産の提供を受けた日、使用を開始した日又はその使用により収益を計上することとなった日のいずれかより、適切に判断する。
3-15 費用分担契約
3-15 費用分担契約とは、契約の当事者が、それぞれの行う事業において生ずる収益の増加、費用の減少その他の便益を得ることを目的として、無形資産又は有形資産の開発、生産又は取得及び役務の開発、提供又は受領を共同で行うこと(以下「共同活動」という。)を約し、当該共同活動への貢献(当該共同活動に係るリスクの引受け及び費用の負担を含む。以下同じ。)を分担して行うことを定める契約をいう。
(注)1 例えば、新製品の製造技術の開発に当たり、契約の当事者のそれぞれが、当該製造技術の持分を取得するとともに当該持分に基づいて製造する当該新製品の販売によって生ずる収益を得ることを目的として、当該製造技術を共同で開発することを約し、開発計画の策定又は進捗管理、開発業務の遂行、ノウハウ等の無形資産の提供その他の当該共同開発への貢献を分担して行うことを定める契約は費用分担契約に該当する。
2 個々の契約が費用分担契約に該当するか否かを判断するに当たっては、当該個々の契約に係る契約書において「費用分担契約」の用語が記載されているか否かを問わない。
3-16 費用分担契約の取扱い
3-16
(1) 費用分担契約の当事者である法人及び国外関連者(以下「参加者」という。)が、当該費用分担契約に基づき共同活動を行う場合において、当該共同活動により当該参加者それぞれの事業において生ずると予測される収益の増加、費用の減少その他の便益(以下「予測便益」という。)に応じて、当該共同活動への貢献を分担して行うことは国外関連取引に該当する。この場合において、当該費用分担契約が次に掲げる事項の全てを満たすときは、当該費用分担契約は独立企業原則に即したものとして取り扱い、当該国外関連取引について措置法第66条の4第1項の規定の適用がないことに留意する。
イ 当該参加者の予測便益の額の合計額のうちに占める当該参加者それぞれの予測便益の額の割合(以下「予測便益割合」という。)が適正に見積もられていること。
ロ 当該参加者それぞれの当該共同活動への貢献の価値の額(以下「貢献価値額」という。)が、当該貢献が独立の事業者の間で通常の取引の条件に従って行われるとした場合に当該貢献につき支払われるべき対価の額として最も適切な方法により算定される金額と一致していること。
ハ 当該参加者の貢献価値額の合計額のうちに占める当該参加者それぞれの貢献価値額の割合(以下「貢献価値割合」という。)が予測便益割合に一致していること。
(注)1 貢献価値割合を予測便益割合と一致させるために参加者の間で支払われる金額(以下「調整的支払額」という。)については、当該調整的支払額を支払う者の貢献価値額を増加させ、当該調整的支払額を受け取る者の貢献価値額を減少させるものとして取り扱うことに留意する。
2 調整的支払額の支払いがあった場合には、当該調整的支払額がイを満たす予測便益割合とロを満たす貢献価値額を基礎として適正に算出されているか確認するとともに、3-21も参照の上検討することに留意する。
(2) 法人の貢献価値割合が当該法人の予測便益割合と比較して過大であると認められる場合には、当該法人が費用分担契約に基づき国外関連者との間で行った国外関連取引につき、措置法第66条の4第1項の規定の適用があることに留意する。
(3) 貢献価値割合の算定は、(1)ロに基づき計算した貢献価値額を基礎として算定するのであるが、参加者が費用分担契約に基づいて分担する共同活動への貢献において負担する費用の額と当該参加者の貢献価値額が大きく異ならない場合には、当該費用の額を当該参加者の貢献価値額として取り扱うこととして差し支えない。例えば、当該貢献が3-11(1)に該当する役務提供である場合はこれに該当する。
(注) 法人が分担した費用については、法人税に関する法令の規定に基づいて処理するのであるから、例えば、費用分担契約に基づいて分担する共同活動への貢献において負担する費用のうちに措置法第61条の4第4項(交際費等の損金不算入)に規定する交際費等がある場合には、適正な予測便益割合に基づき法人が分担した交際費等の額は、措置法通達61の4(1)-23(1)(交際費等の支出の方法)の定めに準じて取り扱うこととなり、当該分担した交際費等の額を基に同条第1項の規定に基づく損金不算入額の計算を行うこととなることに留意する。
3-17 費用分担契約に関する留意事項
3-17 費用分担契約に基づいて行われた国外関連取引について調査を行う場合には、措置法通達66の4(3)-3に掲げる諸要素等に基づいて当該国外関連取引の内容等を的確に把握し、例えば次に掲げる点に留意の上、移転価格税制上の問題の有無を検討する。
(1) 費用分担契約に係る共同活動の範囲、参加者が分担する共同活動への貢献その他の当該費用分担契約に係る契約書に定める内容と当該参加者の実際に遂行した業務その他の当該費用分担契約に係る事実が一致しているか。
(2) 全ての参加者が、例えば費用分担契約に基づいて行われた共同活動を通じて開発された無形資産の持分から生ずる収益を享受することが合理的に見込まれるなど、予測便益を有しているか。
(注) 参加者のうち予測便益を有していない者が、当該費用分担契約における共同活動への貢献を分担している場合には、当該貢献に対して独立企業原則に基づいた対価が支払われているか検討する必要があることに留意する。
(3) 予測便益割合が次のイからハまで等に照らして、適正に算定されているか。
イ 予測便益を直接的に見積もることが困難である場合において、予測便益の算定に当たり、参加者それぞれが享受する共同活動から生ずる成果から得る便益の程度を推測するに足りる合理的な基準(売上高、売上総利益、営業利益、製造又は販売の数量等)が用いられているか。
ロ 予測便益割合は、その算定の基礎となった基準の変動に応じて見直されているか。
ハ 予測便益割合と実現便益割合(共同活動から生じた成果によって参加者において増加した収益又は減少した費用(以下「実現便益」という。)の額の合計額のうちに占める参加者それぞれの実現便益の額の割合をいう。)とが著しく乖離している場合に、参加者それぞれの予測便益の見積りが適正であったかどうかについての検討が行われているか。
(注) 共同活動から生じた成果が特定無形資産(措置法第66条の4第8項に規定する特定無形資産をいう。以下同じ。)に該当するときは、同項の規定を踏まえ検討する。
(4) 貢献価値割合が次のイ及びロ等に照らして、適正に算定されているか。
イ 参加者それぞれの貢献価値額の算定において、役務の提供、研究開発及び有形資産又は無形資産の提供等、当該参加者それぞれが費用分担契約に係る共同活動への貢献として果たしたあらゆる機能等が適切に特定されているか。
ロ 参加者それぞれの貢献価値割合は、費用分担契約に基づく共同活動に係る参加者それぞれの果たしたあらゆる機能等を総合的に勘案して適正に算定された貢献価値額を基に算定されているか。
(5) 参加者それぞれの貢献価値割合は、当該参加者それぞれの予測便益割合と一致しているか。一致していない場合、調整的支払額が授受されているか。
ただし、一致していない要因が経済状況の変化等特別な理由に基づくものである場合には、検討した事業年度の前後の事業年度を含めるなど合理的期間を基に調整的支払額が授受されるべきか検討することが適切である場合があることに留意すること。
(6) 費用分担契約について参加者の新規加入若しくは脱退があった場合又は費用分担契約の終了があった場合において、それまでの当該費用分担契約による共同活動を通じて形成された無形資産等があるときは、その加入若しくは脱退又は終了が生じた時点において当該無形資産等の価値を評価し、その加入又は脱退にあっては、これらにより生じた当該無形資産等に対する持分の変更に応じて、終了にあっては、その終了の時におけるそれぞれの持分に応じて、適正な対価の授受が行われているか。
3-18 費用分担契約における既存の無形資産の使用
3-18 参加者が、費用分担契約における共同活動において当該参加者の保有する既存の無形資産(当該費用分担契約を通じて取得・開発された無形資産以外の無形資産をいう。以下同じ。)を使用している場合には、当該既存の無形資産を保有する参加者において、当該既存の無形資産の当該共同活動における使用による貢献を考慮して当該参加者の貢献価値額の計算が行われているか、又は当該貢献価値額に等しい当該既存の無形資産に係る独立企業間の使用料に相当する金額が収受されているかどうかを検討する必要があることに留意する。
(注) 法人が費用分担契約に基づいて行われる共同活動において自ら開発行為等を行っている場合や国外関連者の実現便益がその予測便益を著しく上回っているような場合には、当該法人の保有する既存の無形資産が当該共同活動に使用されているかどうかを検討し、その使用があると認められた場合においては、本文の検討を行うとともに、当該既存の無形資産が特定無形資産に該当するときは措置法第66条の4第8項の規定の適用を検討することに留意する。
3-19 費用分担契約に係る検討を行う書類
3-19 調査においては、3-4に掲げる書類から国外関連取引の実態を的確に把握するのであるが、費用分担契約に基づいて行われた国外関連取引について調査を行う場合には、当該費用分担契約に係る契約書(当該費用分担契約に基づいて行われた共同活動の範囲・内容を記載した附属書類を含む。)のほか、主として次に掲げる書類(帳簿その他の資料を含む。)の作成又は提示を求め、移転価格税制上の問題の有無を検討する。
(1) 費用分担契約の締結に当たって作成された書類
イ 参加者の名称、所在地、資本関係及び事業内容等を記載した書類
ロ 参加者が契約締結に至るまでの交渉・協議の経緯を記載した書類
ハ 共同活動を行う期間を記載した書類
ニ 共同活動の範囲、内容及び進捗管理方法を記載した書類
ホ 参加者それぞれの共同活動への貢献の形態及び貢献価値額の算定方法並びに貢献価値割合の算定に関する細目を記載した書類(貢献価値割合として当該共同活動に要する費用の割合を用いることができる場合には、当該費用の割合の算定に関する細目及び当該費用の割合を用いることとした理由を記載した書類)
ヘ 共同活動において使用される無形資産又は有形資産の形成等に関する参加者それぞれの役割及び管理方法を記載した書類
ト 予測便益割合の算定方法及びそれを用いることとした理由を記載した書類
チ 共同活動から生ずる成果物の用途を記載した書類
リ 予測便益割合と実現便益割合とが乖離した場合における貢献価値額の調整に関する細目を記載した書類
ヌ 契約条件の変更及び費用分担契約の改定又は終了に関する細目
(2) 費用分担契約締結後の期間において作成された書類
イ 参加者の貢献価値額の合計額及びその内訳並びに参加者それぞれの貢献価値額及びその計算過程を記載した書類
ロ 予測便益割合と実現便益割合とが乖離している場合における乖離の細目を記載した書類
ハ 参加者の新規加入若しくは脱退又は費用分担契約の終了があった場合における参加者の異動状況の細目及び事情を記載した書類(当該参加者の共同活動を通じてそれまでに形成された無形資産等があるときは、当該無形資産等の価値の算定に関する細目及び無形資産等に対する持分の細目を記載した書類を含む。)
ニ 共同活動を通じて形成された無形資産等に対する参加者それぞれの持分の異動状況(当該共同活動を通じて形成された無形資産等の価値の算定方法を含む。)を記載した書類
ホ 契約条件の変更及び費用分担契約の改定又は終了の結果を記載した書類
(3) その他の書類
イ 既存の無形資産を共同活動に使用した場合における当該既存の無形資産の内容及び使用料に相当する金額の算定に関する細目を記載した書類
ロ 共同活動に関係する者又は当該共同活動から生ずる成果を利用することが予定されている者で、費用分担契約に参加しない者の名称、所在地等を記載した書類
3-20 国外関連者に対する寄附金
3-20 調査において、次に掲げるような事実が認められた場合には、措置法第66条の4第3項の規定の適用があることに留意する。
イ 法人が国外関連者に対して資産の販売、金銭の貸付け、役務の提供その他の取引(以下「資産の販売等」という。)を行い、かつ、当該資産の販売等に係る収益の計上を行っていない場合において、当該資産の販売等が金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与に該当するとき
ロ 法人が国外関連者から資産の販売等に係る対価の支払を受ける場合において、当該法人が当該国外関連者から支払を受けるべき金額のうち当該国外関連者に実質的に資産の贈与又は経済的な利益の無償の供与をしたと認められる金額があるとき
ハ 法人が国外関連者に資産の販売等に係る対価の支払を行う場合において、当該法人が当該国外関連者に支払う金額のうち当該国外関連者に金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与をしたと認められる金額があるとき
(注) 法人が国外関連者に対して財政上の支援等を行う目的で国外関連取引に係る取引価格の設定、変更等を行っている場合において、当該支援等に基本通達9-4-2の相当な理由があるときは、措置法第66条の4第3項の規定の適用がないことに留意する。
3-21 価格調整金等がある場合の留意事項
3-21 法人が価格調整金等の名目で、既に行われた国外関連取引に係る対価の額を事後に変更している場合には、当該変更が合理的な理由に基づく取引価格の修正に該当するものかどうかを検討する。
当該変更が国外関連者に対する金銭の支払又は費用等の計上(以下「支払等」という。)により行われている場合には、当該支払等に係る理由、事前の取決めの内容、算定の方法及び計算根拠、当該支払等を決定した日、当該支払等をした日等を総合的に勘案して検討し、当該支払等が合理的な理由に基づくものと認められるときは、取引価格の修正が行われたものとして取り扱う。
なお、当該支払等が合理的な理由に基づくものと認められない場合には、当該支払等が措置法第66条の4第3項の規定の適用を受けるものであるか等について検討する。
3-22 外国税務当局が算定した対価の額
3-22 独立企業間価格は我が国の法令に基づき計算されるのであるから、外国税務当局が移転価格税制に相当する制度に基づき国外関連者に対する課税を行うため算定した国外関連取引の対価の額は、必ずしも独立企業間価格とはならないことに留意する(相互協議において合意された場合を除く。)。
3-23 事前確認の申出との関係
3-23
(1) 法人が事前確認を受けようとする事業年度(以下「確認対象事業年度」という。)の前の各事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度を含む。以下3-23において同じ。)について調査が行われている間に、当該法人が事前確認の申出を行ったとしても、当該調査は中断されない。
(2) 法人が事前確認の申出を行ったとしても、確認対象事業年度の前の各事業年度に係る調査の開始は妨げられない。
(3) 事前確認に係る手続が行われている間は、確認対象事業年度に係る申告の内容(当該事前確認を受けようとする国外関連取引に係る独立企業間価格の算定方法等に限る。)については調査を行わない。
(4) 調査に当たっては、法人から事前確認審査のために収受した資料(事実に関するものを除く。)は使用しない。ただし、当該資料を使用することについて当該法人の同意があるときは、この限りではない。
3-24 移転価格課税と所得の内外区分
3-24 調査に当たり、移転価格税制とともに法第69条第1項(外国税額の控除)の規定を適用するときは、移転価格税制の適用により増加する所得について同条第4項から第8項までの規定の適用により所得の内外区分を判定した上で、同条第1項に規定する控除限度額の計算を行うことに留意する。
3-25 過少資本税制との関係
3-25 調査に当たり、移転価格税制とともに措置法第66条の5(国外支配株主等に係る負債の利子等の課税の特例)の規定を適用する場合には、同条第1項に規定する「負債の利子等」の額の算定において、独立企業間価格を超える部分の「負債の利子等」の額を含めないことに留意する。
3-26 過大支払利子税制との関係
3-26 調査に当たり、移転価格税制とともに措置法第66条の5の2(対象純支払利子等に係る課税の特例)の規定を適用する場合には、次に掲げることに留意する。
(1) 同条第1項に規定する「対象支払利子等の額」の算定において、独立企業間価格を超える部分の「支払利子等の額」(同条第2項第1号に規定する「支払利子等の額」をいう。以下同じ。)を含めないこと。
(2) 同条第1項に規定する「控除対象受取利子等合計額」の算定において、独立企業間価格に満たない部分の「受取利子等の額」(同条第2項第6号に規定する「受取利子等の額」をいう。)を含めること及び独立企業間価格を超える部分の支払利子等の額を含めないこと。
(3) 同条第1項に規定する「調整所得金額」の算定において、国外関連取引が独立企業間価格で行われたものとみなして計算した場合に算出される所得の金額を基礎とすること。
(4) 措置法施行令第39条の13の2第29項(対象純支払利子等に係る課税の特例)に規定する「調整損失金額」の算定において、国外関連取引が独立企業間価格で行われたものとみなして計算した場合に算出される損失の金額を基礎とすること。
3-27 源泉所得税との関係
3-27 調査の結果、法人が国外関連者に対して支払った利子又は使用料について、法人税の課税上独立企業間価格との差額が生ずる場合であっても、源泉所得税の対象となる利子又は使用料の額には影響しないことに留意する。また、租税条約のうちには当該差額について租税条約上の軽減税率が適用されない定めがあるものがあることに留意する。
3-28 消費税との関係
3-28 移転価格税制は法人税法その他法人税に関する法令の適用を定めたものであり、調査に当たり同税制が適用された場合であっても、消費税の計算には影響しないことに留意する。
第4章 独立企業間価格の算定等における留意点
4-1 最も適切な方法の選定に関する検討
4-1 最も適切な方法の選定のための検討を行う場合には、措置法通達66の4(3)-3に掲げる諸要素等に基づいて国外関連取引の内容等を的確に把握し、措置法通達66の4(2)-1(1)から(4)までに掲げる点等を勘案して当該国外関連取引に係る比較対象取引の有無等を検討することに留意する。
4-2 独立企業間価格の算定における基本三法の長所
4-2 独立企業間価格の算定方法のうち、国外関連取引と比較対象取引の価格を直接比較する独立価格比準法(独立価格比準法と同等の方法を含む。以下同じ。)は、独立企業間価格を最も直接的に算定することができる長所を有し、また、売上総利益に係る利益率(措置法第66条の4第2項第1号ロ及びハに規定する政令で定める通常の利益率をいう。)に基づき算定された価格を比較する再販売価格基準法及び原価基準法(再販売価格基準法と同等の方法及び原価基準法と同等の方法を含む。以下同じ。)は、独立価格比準法に次いで独立企業間価格を直接的に算定することができる長所を有することに留意する。
したがって、最も適切な方法の選定に当たり、措置法通達66の4(2)-1(1)から(4)までに掲げる点等を勘案した結果、最も適切な方法の候補が複数ある場合において、独立価格比準法の適用における比較可能性が十分であるとき(国外関連取引と比較対象取引との差異について調整を行う必要がある場合は、当該調整を行うことができるときに限る。以下同じ。)は、上記の長所により独立価格比準法の選定が最も適切となり、また、独立価格比準法を選定することはできないが、再販売価格基準法又は原価基準法の適用における比較可能性が十分であるとき(措置法施行令第39条の12第6項又は第7項に規定する「財務省令で定める場合」に該当することにより措置法施行規則第22条の10第3項(同条第5項の規定により読み替えて準用する場合を含む。)に規定する中央値による調整を行うことができるときを含む。)は、上記の長所により再販売価格基準法又は原価基準法の選定が最も適切となることに留意する。
4-3 独立企業間価格の算定におけるディスカウント・キャッシュ・フロー法の適用
4-3 独立企業間価格の算定方法のうち、ディスカウント・キャッシュ・フロー法(ディスカウント・キャッシュ・フロー法と同等の方法を含む。以下4-13までにおいて同じ。)については、例えば、国外関連取引に係る比較対象取引を見いだすことが困難な場合で、国外関連取引の形態やその内容等から利益分割法を適用できないときに有用となり得る算定方法であるが、措置法施行令第39条の12第8項第6号に規定する利益の額として当該販売又は購入の時に予測される金額(4-13において「予測利益の金額」という。)のような不確実な要素を用いて独立企業間価格を算定する方法であるから、最も適切な方法の候補がディスカウント・キャッシュ・フロー法を含めて複数ある場合には、ディスカウント・キャッシュ・フロー法以外の候補である算定方法の中から最も適切な方法を選定することに留意する。
4-4 差異の調整方法
4-4 国外関連取引と、比較対象取引又は措置法通達66の4(3)-1(5)に掲げる取引との差異について調整を行う場合には、例えば次に掲げる場合に応じ、それぞれ次に定める方法により行うことができることに留意する。
なお、差異の調整は、その差異が措置法第66条の4第2項第1号イに規定する対価の額若しくは同号ロ及びハに規定する通常の利益率の算定又は措置法施行令第39条の12第8項第1号イ、同号ハ(1)及び第2号から第5号までに規定する割合の算定(4-5において「通常の利益率等の算定」という。)に影響を及ぼすことが客観的に明らかである場合に行うことに留意する(措置法第66条の4第2項第2号の規定の適用において同じ。)。
(1) 貿易条件について、一方の取引がFOB(本船渡し)であり、他方の取引がCIF(運賃、保険料込み渡し)である場合 比較対象取引の対価の額に運賃及び保険料相当額を加減算する方法
(2) 決済条件における手形一覧後の期間について、国外関連取引と比較対象取引に差異がある場合 手形一覧から決済までの期間の差に係る金利相当額を比較対象取引の対価の額に加減算する方法
(3) 比較対象取引に係る契約条件に取引数量に応じた値引き、割戻し等がある場合 国外関連取引の取引数量を比較対象取引の値引き、割戻し等の条件に当てはめた場合における比較対象取引の対価の額を用いる方法
(4) 機能又はリスクに係る差異があり、その機能又はリスクの程度を国外関連取引及び比較対象取引の当事者が当該機能又はリスクに関し支払った費用の額により測定できると認められる場合 当該費用の額が当該国外関連取引及び比較対象取引に係る売上又は売上原価に占める割合を用いて調整する方法
(注) 上記(1)から(4)までに掲げるような差異により生ずる利益率等の差を調整してもなお定量的に把握することが困難な差異が存在する場合であっても、調整済割合(措置法施行規則第22条の10第2項(同条第4項において読み替えて準用する場合を含む。)に規定する調整済割合をいう。以下4-6までにおいて同じ。)に対する当該差異の影響が軽微であると認められるときは、4-5に定めるところにより、中央値(措置法施行規則第22条の10第3項(同条第5項において読み替えて準用する場合を含む。)に規定する中央値をいう。以下同じ。)による調整を行うことができる。ただし、国外関連取引に係る比較対象取引が存在する場合には、当該比較対象取引を用いるのであって、中央値による調整を行うことはできないことに留意する。
4-5 差異の調整における統計的手法の適用に当たっての留意事項
4-5
(1) 中央値による調整は、4-4(1)から(4)までのような調整を行ってもなお定量的に把握することが困難な差異が存在する場合であって、調整済割合に対する当該差異の影響が軽微であると認められるときに行うことができるのであるが、当該差異の影響が軽微であると認められるかどうかを判断するに当たっては、定量的に把握することが困難な差異や必要な調整の内容等を総合的に勘案し、個々の事案の状況に応じて判断することに留意する。
(2) 中央値による調整を行うに当たっては、次に掲げる事項に留意する。
イ 四以上の比較対象取引(措置法施行規則第22条の10第3項(同条第5項において読み替えて準用する場合を含む。)に規定する「四以上の比較対象取引」をいう。4-6において同じ。)の選定に際しては、措置法通達66の4(3)-3の取扱いに準ずること。
ロ 定量的に把握することが困難な差異を特定すること。
ハ 定量的に把握することが困難な差異以外の差異が調整対象差異(措置法施行規則第22条の10第2項(同条第4項の規定により読み替えて準用する場合を含む。)に規定する調整対象差異をいう。以下4-5において同じ。)に含まれる場合で、当該差異が通常の利益率等の算定に影響を及ぼすことが客観的に明らかなときは、所要の調整を行うこと。
(3) 中央値による調整は、(2)に掲げる事項に留意して行うことになるのであるから、例えば、調整対象差異により生ずる割合の差を調整するための情報が一定程度入手可能であり、当該割合の差について相当程度の調整を行うことが可能であるが、当該情報の一部が入手可能でないことにより、当該調整対象差異により生ずる割合の差を全て調整することが困難であると認められる場合に、その適用を検討することに留意する。
4-6 差異の調整に統計的手法を適用した場合の取扱い
4-6 中央値による調整を行うことができる場合において、国外関連取引の対価の額が、四以上の比較対象取引に係る調整済割合(措置法施行令第39条の12第6項、第7項並びに第8項第1号イ、同号ハ(1)及び第2号から第5号までに規定する「財務省令で定める場合」に該当する場合に計算されるものに限る。以下4-6において同じ。)につき最も小さいものから順次その順位を付し、その順位を付した調整済割合の個数の100分の25に相当する順位の割合から当該順位を付した調整済割合の個数の100分の75に相当する順位の割合までの間にある割合を用いて算定されているときは、当該国外関連取引については措置法第66条の4第1項の規定を適用しないことに留意する。
(注) 中央値による調整を行うに当たっては、4-4(注)ただし書並びに4-5(1)及び(2)に掲げる事項に留意する。
4-7 無形資産の使用を伴う国外関連取引に係る比較対象取引の選定
4-7 措置法通達66の4(3)-3の取扱いの適用において、法人又は国外関連者が無形資産の使用を伴う国外関連取引を行っている場合には、比較対象取引の選定に当たり、無形資産の種類、対象範囲、利用態様等の類似性について検討することに留意する。
4-8 比較対象取引が複数ある場合の独立企業間価格の算定
4-8 国外関連取引に係る比較対象取引が複数存在し、当該比較対象取引に係る価格又は利益率等(国外関連取引と比較対象取引との差異について調整を行う必要がある場合は、当該調整を行った後のものに限る。以下「比較対象利益率等」という。)が形成する一定の幅の外に当該国外関連取引に係る価格又は利益率等がある場合には、原則として、当該比較対象利益率等の平均値に基づき独立企業間価格を算定する方法を用いるのであるが、中央値など、当該比較対象利益率等の分布状況等に応じた合理的な値が他に認められる場合は、これを用いて独立企業間価格を算定することに留意する。
4-9 利益分割法における共通費用の取扱い
4-9 利益分割法の適用に当たり、法人又は国外関連者の売上原価、販売費及び一般管理費その他の費用のうち国外関連取引及びそれ以外の取引の双方に関連して生じたもの(以下4-9において「共通費用」という。)がある場合には、これらの費用の額を、個々の取引形態に応じて、例えば当該双方の取引に係る売上金額、売上原価、使用した資産の価額、従事した使用人の数等、当該双方の取引の内容及び費用の性質に照らして合理的と認められる要素の比に応じてあん分し、当該国外関連取引の分割対象利益等(措置法通達66の4(5)-1(利益分割法の意義)に定める分割対象利益等をいう。以下同じ。)を計算することに留意する。
なお、分割対象利益等の配分に用いる要因の計算を費用の額に基づいて行う場合にも、共通費用については上記に準じて計算することに留意する。
4-10 残余利益分割法の取扱い
4-10 残余利益分割法の適用に当たり、措置法施行令第39条の12第8項第1号ハ(1)に掲げる金額(以下「基本的利益」という。)については、同号ハ(1)に規定する「第6項、前項又は次号から第5号までに規定する必要な調整を加えないものとした場合のこれらの規定による割合」のうち、最も適切な利益指標を選定して計算することに留意する。
(注)1 基本的利益を計算する場合における本文の割合は、同条第8項第1号ハ(1)の括弧書に規定する必要な調整を加えた後の割合であることに留意する。
2 措置法通達66の4(3)-1(5)に掲げる取引が複数存在する場合の基本的利益の計算については、原則として、当該取引に係る本文の割合の平均値を用いるのであるが、当該本文の割合の分布状況等に応じた合理的な値が他に認められる場合は、これを用いることに留意する。
4-11 取引単位営業利益法の適用における比較対象取引の選定
4-11 国外関連取引と非関連者間取引との差異が措置法第66条の4第2項第1号イに規定する対価の額又は同号ロ及びハに規定する通常の利益率の算定に影響を及ぼす場合であっても、措置法施行令第39条の12第8項第2号から第5号までに規定する割合の算定においては、当該差異が影響を及ぼすことが客観的に明らかでない場合があることから、取引単位営業利益法の適用においては、基本三法の適用に係る差異の調整ができない非関連者間取引であっても、比較対象取引として選定して差し支えない場合があることに留意する。
(注) 国外関連取引の当事者が果たす主たる機能と非関連者間取引の当事者が果たす主たる機能が異なる場合には、通常その差異は上記の割合の算定に影響を及ぼすことになることに留意する。
4-12 取引単位営業利益法における販売のために要した販売費及び一般管理費
4-12 取引単位営業利益法により独立企業間価格を算定する場合の「国外関連取引に係る棚卸資産の販売のために要した販売費及び一般管理費」には、その販売に直接に要した費用のほか、間接に要した費用が含まれることに留意する。この場合において、国外関連取引及びそれ以外の取引の双方に関連して生じたものがあるときは、これらの費用の額を、個々の取引形態に応じて、例えば、当該双方の取引に係る売上金額、売上原価、使用した資産の価額、従事した使用人の数等、当該双方の取引の内容及び費用の性質に照らして合理的と認められる要素の比に応じてあん分する。
4-13 ディスカウント・キャッシュ・フロー法の取扱い
4-13 ディスカウント・キャッシュ・フロー法の適用に当たり、独立企業間価格を算定するための前提となる事項については、検証可能で合理的なものである必要があるから、これについて検証を行う場合には、例えば、次の点に留意する。
(1) 予測利益の金額が、国外関連取引に係る信頼性が確保された事業計画等の情報に基づいて計算されたものかどうかを検討する。
なお、事業計画等の信頼性の検討に当たっては、予測の根拠及び目的、予測期間(措置法施行令第39条の12第8項第6号に規定する予測される期間をいう。以下同じ。)の長短並びに予測の基礎となる過去の収益実績との整合性等を勘案する。
(2) 予測利益の金額の計算において、予測される利益の成長率を加味して計算する場合は、国外関連取引に係る事業の将来性や当該事業が属する業種に係る市場の成長率の程度を勘案した合理的な成長率が適用されているかどうかを検討する。
(3) 同号に規定する合理的と認められる割引率については、国外関連取引に係る事実、予測利益の金額の計算内容、国外関連取引に係る事業のリスク(予測利益の金額の変動リスクを含む。)等個々の状況に応じて、用いる割引率が合理的と認められるものかどうかを検討する。この場合において、例えば、国外関連取引が無形資産の譲渡取引の場合で、譲受人が製造業を行っているときには、当該無形資産を使用して製造した製品が属する事業のリスク(当該無形資産に係る予測利益の金額の変動リスクを含む。)に応じた期待収益率や加重平均資本コスト等個々の状況に応じて合理的と認められる割引率を用いているかどうかを検討する。
(注) 加重平均資本コストとは、株主資本コストと有利子負債コストを加重平均することにより求められる資本コストをいう。また、株主資本コストとは、株主が法人に求める期待利回りをいい、有利子負債コストとは、法人の借入れ等による資金調達コストをいう。
(4) 予測期間について、例えば、国外関連取引に係る無形資産の使用により利益が生ずると見込まれる場合においては、当該無形資産に係る法的保護期間及び技術的環境の変化の程度を勘案して予測期間を決定するなど、利益が生ずると見込まれる期間が適切に定められているかどうかを検討する。
(注) 予測期間を超えて将来にわたり継続的に利益が生ずると見込まれる場合は、ディスカウント・キャッシュ・フロー法に準ずる方法として、最終価値を考慮して予測利益の金額を計算する必要があるかどうかを検討する。
(5) 予測利益の金額については、予測される法人税等の実効税率等を基に計算した法人税等による影響額を勘案して計算されているかどうかを検討する。例えば、国外関連取引に係る資産が無形資産の場合で、当該無形資産が将来にわたって償却されることにより、予測される法人税等の金額が減少することによって予測利益の金額が増加するときは、当該無形資産の償却方法や償却期間が適正かどうか等当該無形資産の償却による法人税等の減少効果が適正に計算されているかどうかを検討する。
4-14 推定による課税を行う場合の留意事項
4-14
(1) 措置法施行令第39条の12第20項第1号に掲げる方法の適用に当たっては、措置法通達66の4(5)-1から66の4(5)-3(為替の換算)までの取扱いを準用することとし、原則として法人及び国外関連者が属する企業集団の連結財務諸表における国外関連取引に係る事業に係る営業利益又はこれに相当する金額(以下「営業利益等」という。)を同号に規定する要因で分割することにより当該法人及び国外関連者への配分計算を行うことに留意する。
(注) 連結財務諸表において国外関連取引に係る事業に係る営業利益等が他の事業に係る営業利益等と区分されていない場合には、当該国外関連取引に係る事業を含む事業に係る営業利益等に以下のロのイに対する割合を乗じて計算した金額を法人への配分額とすることができる。
イ 当該国外関連取引に係る事業を含む事業に係る営業利益等の発生に企業集団が寄与した程度を推測するに足りる要因
ロ イのうち当該国外関連取引に係る事業に係るものとして法人が寄与した程度を推測するに足りる要因
(2) 同項第6号に掲げる方法を適用することにより、国外関連取引に係る独立企業間価格を推定する場合には、当該国外関連取引が行われた時において当該職員が知り得る状態にあった情報に基づき、4-13の取扱いに準じてその算定の前提となる事項の合理性の検証を行うことに留意する。
(3) 同項第7号に掲げる方法の適用に当たっては、措置法通達66の4(6)-1(準ずる方法の例示)の取扱いを準用することに留意する。
4-15 特定無形資産国外関連取引に係る価格調整措置を適用する場合の留意事項
4-15 措置法第66条の4第8項の規定の適用に当たっては、次の点に留意する。
(1) 国外関連取引に係る無形資産が、例えば、当該国外関連取引が行われた時において、次の特徴を有しているなど、当該国外関連取引が同項の規定の適用対象となる可能性がある場合には、当該無形資産が特定無形資産に該当するかどうかを十分に検討する。
イ 支払対価の総額が確定されて譲渡されたもの
ロ 研究開発段階にあるもの
ハ 取引後一定の期間において商業的に使用される見込みがないもの
ニ 新たな方法で使用されることが見込まれるもので、当該無形資産に類似するものの開発又は使用の実績がないもの
(2) 同項本文の規定により独立企業間価格とみなされる金額を算定するに当たっては、特定無形資産国外関連取引の内容及び当該特定無形資産国外関連取引の当事者が果たす機能その他の事情(当該特定無形資産国外関連取引の対価の額を算定するための前提となった事項の内容が相違する事実及びその相違することとなった事由(以下「相違事由」という。)の発生の可能性を含む。)を勘案するのであるから、当該金額の算定において、これらの事情を勘案せず、単に相違事由に基づいて算出された特定無形資産の使用等によって生じた利益の金額を措置法施行令第39条の12第14項に規定する利益の額として当該無形資産国外関連取引を行った時に予測される金額に置き換えて算定した金額は、独立企業間価格とみなされる金額に該当しない。
(3) 相違事由の発生の可能性の計算に当たっては、次の点を検討する。
イ 特定無形資産国外関連取引を行った時における客観的な事実に基づいて計算されたものであるかどうかの検討に当たって、例えば、独立の第三者が作成した信頼性の確保された市場予測等特定無形資産国外関連取引が行われた時において客観的にその計算の合理性を判断できる資料に基づいて計算しているか。
ロ 通常用いられる方法により計算されたものであるかどうかの検討に当たって、当該特定無形資産国外関連取引が非関連者の間で行われるとしたならば通常実施されるであろう特定無形資産の評価方法として合理的と認められる方法で相違事由の発生の可能性を計算しているか。
第5章 国外移転所得金額等の取扱い
5-1 国外移転所得金額の返還を受ける場合の取扱いに関する留意事項
5-1 措置法通達66の4(11)-2(国外移転所得金額の返還を受ける場合の取扱い)に定める書面を提出した法人が、当該書面に記載された金額の全部又は一部について返還を受ける予定の日後に返還を受けた場合には、予定日後に返還を受けたことについて合理的な理由があるかどうかを検討した上で、措置法通達66の4(11)-2の取扱いの適用の有無を判断する。
(注) 措置法通達66の4(11)-2に定める書面の様式に関し、法人から照会があった場合には、「国外移転所得金額の返還に関する届出書」(別紙様式1)を用いて差し支えない旨当該法人に回答する。
5-2 対応的調整に伴う返還額の取扱い
5-2 外国税務当局が国外関連者に対して移転価格税制に相当する制度に基づき課税を行った場合において、相互協議の合意に基づく対応的調整により減額更正を受けた法人が、当該減額更正を受けた金額の全部又は一部を国外関連者に対し返還しているときは、当該返還した金額は損金の額に算入されないことに留意する。
5-3 対応的調整に伴い国外関連者に返還する金額がある場合の取扱い
5-3 相互協議の合意に基づく対応的調整により減額更正を行う場合において、法人が減額される所得金額の全部又は一部を合理的な期間内に国外関連者に対して返還することとし、租税条約等実施特例法第7条第1項(租税条約に基づく合意があつた場合の更正の特例)に規定する更正の請求とともに、次に掲げる内容を記載した「対応的調整に伴う返還に関する届出書」を別紙様式7により作成し、これを法人の納税地を所轄する税務署長(調査課所管法人(調査査察部等の所掌事務の範囲を定める省令(昭和24年大蔵省令第49号)により調査課が所管する法人をいう。以下同じ。)にあっては、国税局長(沖縄国税事務所長を含む。以下同じ。)。以下「所轄税務署長等」という。)に届け出た場合には、その返還することとした金額を当該国外関連者に対する未払金として処理することに留意する。
イ 法人名
ロ 納税地
ハ 代表者氏名
ニ 国外関連者名及び所在地
ホ 返還する予定の日
ヘ 返還する金額(外貨建取引の場合は、外国通貨の金額を併記する。)
ト 返還方法
(注) 外貨建ての取引につき返還することとして届け出る金額は、基本通達13の2-1-2(外貨建取引及び発生時換算法の円換算)の規定に基づき円換算した金額とし、当該金額とその返還を行った日の外国為替の売買相場によって円換算した金額との差額は、その返還を行った日の属する事業年度の益金又は損金の額に算入する。
第6章 事前確認
6-1 事前確認の方針
6-1 事前確認については、移転価格税制の適用に係る法人の予測可能性を確保し、当該税制の適正かつ円滑な執行を図るため、我が国の課税権の確保に十分配意しつつ、事案の複雑性や困難性に応じたメリハリのある事前確認審査を的確かつ迅速に行う。また、事前確認に係る手続の利便性の向上及び迅速化を図るため、事前相談に的確に対応する。
6-2 事前確認の申出
6-2
(1) 法人から事前確認の申出が行われた場合には、所轄税務署長等は、これを収受する。
なお、事前確認の申出を行おうとする法人が事前相談を行っていない場合には、所轄税務署長等は当該法人に対して、事前相談を行った上で事前確認の申出を行うよう指導する。
(2) 事前確認の申出は、法人が確認対象事業年度のうち最初の事業年度の開始の日までに、国外関連者の所在する国又は地域の別に、確認対象事業年度、事前確認を受けようとする国外関連取引(以下「確認対象取引」という。)、確認対象取引に係る国外関連者及び確認対象取引に係る独立企業間価格の算定方法等を記載した「独立企業間価格の算定方法等の確認に関する申出書」(以下「確認申出書」という。)を別紙様式2により作成し、これを所轄税務署長等に提出することにより行うものとする。
(注) 確認対象事業年度のうち最初の事業年度の開始の日が日曜日、国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)(以下「祝日法」という。)に規定する休日その他一般の休日又は国税通則法施行令(昭和37年政令第135号)第2条第2項(期限の特例)に規定する日に当たるときは、これらの日の翌日までに提出することにより行うものとする。
(3) 確認申出書の提出部数は、調査課所管法人に該当する法人にあっては1部(相互協議を求める場合には2部)、調査課所管法人に該当しない法人にあっては3部(相互協議を求める場合には4部)とする。以下6-3の資料、6-8の書類及び6-9の取下書の提出部数についても同様とする。
6-3 資料の添付
6-3
(1) 所轄税務署長等は、事前確認の申出を行った法人(以下「確認申出法人」という。)に対し、確認申出書に次に掲げる資料を添付すること及び当該資料に誤り又は変更があった場合には、速やかに局担当課に連絡することを求める。
イ 確認対象取引の内容、当該確認対象取引の流れ及びその詳細を記載した資料
ロ 確認申出法人及び確認対象取引に係る国外関連者の事業の内容及び組織の概要を記載した資料
ハ 確認対象取引において確認申出法人及び確認対象取引に係る国外関連者が果たす機能、負担するリスク及び使用する資産に関する資料
ニ 確認対象取引に係る独立企業間価格の算定方法等及びそれが最も適切な方法であることを説明した資料
ホ 事前確認を行い、かつ、事前確認を継続する上で前提となる重要な事業上又は経済上の諸条件(条件に相当する確認対象取引に係る経済事情その他の要因等を含む。以下同じ。)に関する資料
ヘ 確認申出法人と確認対象取引に係る国外関連者との直接若しくは間接の資本関係又は実質的支配関係に関する資料
ト 確認申出法人及び確認対象取引に係る国外関連者の過去3事業年度分(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度を含む。以下(1)において同じ。)の営業及び経理の状況その他事業の内容を明らかにした資料(確認対象取引が新規事業又は新規製品に係るものであり、過去3事業年度分の資料を提出できない場合には、将来の事業計画、事業予測の資料など、これに代替するもの)
チ 確認対象取引に係る国外関連者について、その国外関連者が所在する国又は地域で、移転価格に係る調査、不服申立て又は訴訟等が行われている場合には、その概要及び過去の課税状況を記載した資料
リ 確認対象取引に係る独立企業間価格の算定方法等を確認対象事業年度前3事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度を含む。)に適用した場合の結果など確認対象取引に係る独立企業間価格の算定方法等を具体的に説明するために必要な資料
ヌ 確認申出法人が属する多国籍企業グループ(措置法第66条の4の4第4項第2号に規定する多国籍企業グループをいう。)の最終親会社等及び当該確認申出法人に係る親会社等(同項第5号に規定する親会社等をいう。以下(1)において同じ。)のうち当該確認申出法人を直接支配する親会社等が当該最終親会社等でない場合の親会社等の概要(法人名、本店又は主たる事務所の所在地等)を記載した資料(相互協議を伴わない事前確認の申出の場合に限る。)
ル その他事前確認に当たり必要な資料
(注) ト又はリに掲げる資料については、確認対象取引に係る製品のライフサイクル等を考慮した場合に、3事業年度分に係る資料では十分な事前確認審査を行うことができないと認められるときは、局担当課は、確認申出法人に対し、これらに加え、その前2事業年度分(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度を含む。)に係る資料の提出を求める。
(2) 確認申出法人が、明らかに、(1)イからルまでに掲げる資料の添付を行っていない場合には、所轄税務署長等は、当該確認申出法人に対して、速やかに、当該資料を提出することを求める。
6-4 翻訳文の添付
6-4 署法人課税部門又は局調査課は、確認申出書に添付された資料のうち、外国語で記載されたものがある場合には、確認申出法人に対して日本語による翻訳文を添付するよう求める。
6-5 確認申出書の補正
6-5 署法人課税部門又は局調査課は、収受した確認申出書の記載事項について記載誤り若しくは記載漏れがないかどうか又は6-3(1)に掲げる資料が添付されているかどうか等について検討し、不備がある場合には、確認申出法人に対して補正を求める。
6-6 確認申出書の送付等
6-6 署法人課税部門は、収受した確認申出書2部(確認申出法人が相互協議を伴う事前確認を求めている場合には3部)を速やかに局法人課税課に送付し、局法人課税課は、うち1部(確認申出法人が相互協議を伴う事前確認を求めている場合には2部)を速やかに国税庁課税部法人課税課に送付する。局調査課は、確認申出法人が相互協議を伴う事前確認を求めている場合には、収受した確認申出書1部を速やかに国税庁調査査察部調査課に送付する。庁担当課は、確認申出法人が相互協議を伴う事前確認を求めている場合には、送付された当該確認申出書1部を庁相互協議室に回付する。
6-7 確認対象事業年度
6-7 確認対象事業年度は、原則として3事業年度から5事業年度とする。
6-8 事前確認の申出の修正
6-8 確認申出法人から事前確認の申出の修正に係る書類の提出があった場合には、6-5及び6-6の取扱いに準じて処理を行う。
6-9 事前確認の申出の取下げ
6-9 確認申出法人から事前確認の申出の取下書の提出があった場合には、6-5及び6-6の取扱いに準じて処理を行う。
6-10 事前相談
6-10
(1) 事前相談は、事前確認の申出を行おうとする法人が確認申出書及び6-3(1)イからルまでの資料を作成することに資するものであり、かつ、当該法人が行おうとする事前確認の申出の内容を税務当局が適切に理解し、効率的かつ迅速に審査を行うことに資するものであることを踏まえ、局担当課はこれに的確に対応する。庁担当課(相互協議を伴う事前確認に係る事前相談にあっては、庁相互協議室を含む。(2)において同じ。)は、局担当課からの連絡を受け、これに加わることができる。
(注) 確認対象事業年度の前の事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度を含む。)において、確認対象取引と同様の国外関連取引がある場合において、当該国外関連取引に関して移転価格税制の適用に係る調査が行われているときは、当該調査の終了前においても事前相談に応ずるが、当該調査の終了後において改めて事前確認の申出の内容に係る修正の要否について相談に応ずる。
(2) 局担当課(事前相談に加わる庁担当課を含む。(3)において同じ。)は次の点に留意して事前相談に応ずる。
イ 事前確認の申出を行おうとする法人に対して、確認申出書の添付資料の作成要領、提出期限その他事前確認に係る手続に必要な事項を事前相談の際に十分に説明すること。
ロ 法人が行おうとする事前確認の申出に係る国外関連取引の内容を的確に把握するとともに、当該法人に対して、当該事前確認の申出に当たって必要な情報の提供に努めること。
(3) 局担当課は、事前確認の申出を行おうとする法人が提出した資料の範囲内で事前相談に応ずる。
なお、局担当課が、法人に対して、事前相談に先立って事前相談を行うに当たり必要と認められる資料の提出を求めた場合において、当該資料が事前相談の際に提出されないときは、事前相談に適切に応ずることができない旨を説明する。
(4) 法人が行おうとする事前確認の申出の内容が次のイからハまでに掲げる場合に該当すると認められるときは、局担当課は、当該法人に対して、それぞれイからハまでに定める事項を説明する。
イ 6-14(1)イ、ハ、ニ又はヘに掲げる場合 当該事前確認の申出を行っても事前確認を行うことができない旨
ロ 6-14(2)イ、ロ、ホ、へ又はトに掲げる場合 当該事前確認の申出を行っても事前確認に係る手続を保留する旨
ハ 6-15(2)ハに掲げる場合 当該事前確認の申出を行っても6-15(2)に定めるところにより取り扱う旨
6-11 事前確認審査
6-11 局担当課は、法人から事前確認の申出を受けた場合には、次により事前確認審査を行う。
(1) 局担当課は、速やかに当該申出に係る事前確認審査に着手し、事案の複雑性や困難性に応じたメリハリのある事前確認審査を行い、的確かつ迅速な事務処理に努める。また、庁担当課は、必要に応じ事前確認審査に加わる。
なお、事前確認審査を迅速に進めるためには、確認申出法人の協力が不可欠であることから、確認申出法人に対しその旨を説明し、理解を求める。
(2) 局担当課は、原則として3-1及び3-2の取扱いその他の第3章(調査)及び第4章(独立企業間価格の算定等における留意点)の取扱いの例により事前確認審査を行う。
なお、事前確認審査は、調査には該当しないことに留意する。
(3) 局担当課は、確認申出書に6-3(1)イからルまでに掲げる資料の添付がなかったことについて、相当の理由があると認める場合には、確認申出法人に対して、当該資料の提出に通常要する日数を勘案して、45日を超えない範囲内で提出期限を設定し、当該資料の提出を求める。
(4) 局担当課は、事前確認審査のため、6-3(1)イからルまでに掲げるもの以外の資料が必要と認められる場合には、確認申出法人に対してその旨を説明し、当該資料の提出を求める。
なお、局担当課は、確認申出法人に対して当該資料の提出を求める場合には、当該資料の提出の準備に通常要する日数を勘案して、45日を超えない範囲内で当該資料の提出期限を設定する。
(注) 局担当課は、確認申出法人から提出された資料が不正確な情報に基づき作成されたものであると判断した場合には、速やかに、当該確認申出法人に対して、正確な情報に基づき作成した資料を提出するよう求める。
(5) 局担当課は、確認申出法人が申し出た国外関連取引に係る独立企業間価格の算定方法等が最も適切な方法であると認められない場合には、当該確認申出法人に対し、申出の修正を求めることができる。
(6) 庁担当課は、必要に応じ、局担当課に対し事前確認審査の状況等について報告を求める。
6-12 事前確認に係る相互協議
6-12
(1) 局担当課は、確認申出法人が事前確認について相互協議を求める意思を有すると認められる場合には、相互協議の申立てを行うよう勧奨する。この場合において、確認申出法人が内国法人であるときは、平成13年6月25日付官協1-39ほか7課共同「相互協議の手続について」(事務運営指針)6(1)(相互協議の申立ての手続)に定める「相互協議申立書」を庁相互協議室に提出するよう勧奨する。
(2) 局担当課は、法人又はその国外関連者が当該国外関連者の所在する国又は地域の税務当局に事前相談に相当する相談又は事前確認の申出に相当する申出を行っていることを把握した場合には、当該法人に対し、我が国にも速やかに事前相談又は事前確認の申出を行うよう勧奨する。
6-13 局担当課又は庁担当課と庁相互協議室との協議・連絡
6-13
(1) 確認申出法人が事前確認について相互協議を求める場合には、局担当課又は庁担当課は、必要に応じ、庁相互協議室と協議を行う。
(2) 確認申出法人が事前確認について相互協議を求める場合において、局担当課は、事前確認審査を終了したときは、庁担当課を通じて事前確認審査の結果を庁相互協議室に連絡する。
また、庁相互協議室は、事前確認の申出に係る相互協議の結果を庁担当課を通じて局担当課に連絡する。
6-14 事前確認を行うこと又は事前確認審査を開始することが適当でない場合
6-14 事前確認審査に当たっては、移転価格税制の適正かつ円滑な執行を図る観点から、次の(1)又は(2)に定めるところにより適切に対応することに留意する。
(1) 次に掲げる場合に該当することにより、確認申出法人が行った事前確認の申出について、事前確認を行うことが適当でないと認める場合には、局担当課は、庁担当課(相互協議を伴う事前確認の申出にあっては、庁相互協議室を含む。)と協議の上、確認申出法人に対して、事前確認を行うことができない旨を説明する。
イ 非関連者の間では通常行われない形態の取引を確認対象取引とすること等により、経済上の合理的な理由なく我が国での租税負担が軽減されることとなると認められる場合
ロ 確認申出法人が、事前確認審査に必要な情報を6-11(3)又は(4)により局担当課が設定した期限までに提出しないことその他の当該確認申出法人から協力が得られない事情により、事前確認審査に支障が生じている場合
ハ 事前確認の申出が、過去に行われた事前確認の申出であってイからヘまでに掲げる場合に該当することにより事前確認を行うことができないこととされたものとその内容において同一であると認められる場合
(注)1 「その内容において同一であると認められる場合」とは、例えば、確認対象取引、確認対象取引に係る国外関連者及び確認対象取引に係る独立企業間価格の算定方法等が、確認対象事業年度のうち3事業年度以上において同一であると認められる場合をいう。
2 事前確認の申出のうち過去に事前確認を行うことができないこととされた事前確認の申出とその内容において同一であると認められる部分を除いた残りの部分が一の申出として成立する場合には、一の申出として成立する当該残りの部分について事前確認の申出を取り下げるか否か又は事前確認を求めるか否かを確認申出法人から聴取する。この場合において、局担当課は、確認申出法人が当該事前確認の申出を取り下げるときは、当該確認申出法人に対して取下書の提出を求めた上で6-9に定める処理を行い、当該確認申出法人が事前確認を求めるときは、6-15(1)から(3)までに定める処理を行う。
ニ 確認対象取引が、法令等に抵触し、又は抵触するおそれがある場合
ホ 6-15(2)に定めるところにより、局担当課が、確認申出法人から事前確認の申出を取り下げるか否か又は相互協議を伴わない事前確認を求めるか否かを聴取した日の翌日から3か月を経過する日までに、当該確認申出法人からの回答がなかった場合
ヘ その他事前確認を行うことが適当でないと認められる場合
(注) 「その他事前確認を行うことが適当でないと認められる場合」とは、例えば、事前確認審査において把握した事実に基づき、確認対象取引に係る独立企業間価格の算定方法等が最も適切な方法であると認められないことが明らかになったにもかかわらず、確認申出法人が事前確認の申出の修正に応じない場合、事前確認の申出及びその取下げを繰り返す場合などが該当する。
(2) 次に掲げる場合に該当することにより、確認申出法人が行った事前確認の申出に係る事前確認審査を開始し、又は継続することが適当でないと局担当課が判断した場合には、局担当課は、庁担当課(相互協議を伴う事前確認の申出にあっては、庁相互協議室を含む。)と協議の上、当該確認申出法人に対して、事前確認審査を開始し、又は再開することが適当であると判断するまでの間、当該事前確認の申出に係る事前確認の手続を保留する旨を説明する。なお、ニに該当する場合には、6-15(2)ロに該当することになる場合があることについても併せて説明することに留意する。
イ 確認申出法人から、移転価格税制に基づく更正等に係る国外関連取引と同様の国外関連取引を確認対象とする申出が行われている場合において、当該更正等に係る不服申立て又は訴えについての決定若しくは裁決又は判決の確定を待って事前確認審査を行う必要があると認められるとき
ロ 確認申出法人から、確認対象取引以外の国外関連取引に係る事前確認の申出及び相互協議の申立てが行われている場合において、当該相互協議の合意を待って当該確認対象取引に係る事前確認審査を行う必要があると認められるとき
ハ 6-3(1)トに定める資料によっては、事業活動の実態を把握できず、確認対象取引の確認対象事業年度における実績を踏まえて事前確認審査を行う必要があると認められる場合
ニ 相互協議を伴う事前確認の申出について、庁相互協議室から庁担当課を通じて、当該事前確認の申出に係る国外関連者がその所在する国又は地域の税務当局に対して行った事前確認の申出に相当する申出が当該税務当局によって収受されていないものと認められる旨の連絡を受けており、かつ、当該事前確認の申出に相当する申出が当該税務当局によって収受された旨又は収受される見込みとなった旨の連絡を受けてから事前確認審査を行うことが適当であると認められる場合
ホ 相互協議を伴う事前確認の申出について、庁相互協議室から庁担当課を通じて、事前確認審査を終了したとしても、当分の間、相互協議が行われることが見込まれない旨の連絡を受けた場合(ニに該当する場合を除く。)
ヘ 確認対象事業年度の前の事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度を含む。)において、確認対象取引と同様の国外関連取引に対し移転価格税制の適用に係る調査が行われている場合
ト その他事前確認審査を開始し、又は継続することが適当でないと認められる場合
6-15 事前確認の通知
6-15
(1) 相互協議を伴う事前確認の申出について、局担当課は、庁担当課を通じて庁相互協議室から相互協議の合意が成立した旨の通知を受けた場合には、必要に応じ、確認申出法人から事前確認の申出の修正を受けた上で、速やかに、事前確認を行う旨を所轄税務署長等に連絡する。
(2) 相互協議を伴う事前確認の申出について、次に掲げる場合に該当するときは、局担当課は、確認申出法人から当該事前確認の申出を取り下げるか否か又は相互協議を伴わない事前確認を求めるか否かを聴取する。この場合において、局担当課は、当該確認申出法人が当該事前確認の申出を取り下げるときは、当該確認申出法人に対して取下書の提出を求めた上で6-9に定める処理を行い、当該確認申出法人が相互協議を伴わない事前確認を求めるときは、(3)に定める処理を行う。
イ 庁相互協議室から庁担当課を通じて相互協議の合意が成立しなかった旨の通知を受けた場合
ロ 庁相互協議室から庁担当課を通じて当該確認申出法人による事前確認の申出に係る国外関連者がその所在する国又は地域の税務当局に対して行った事前確認の申出に相当する申出が当該税務当局によって収受されていないものと認められる旨の連絡を受けており、かつ、確認対象事業年度のうち最初の事業年度の開始の日の翌日から3年を経過する日までに、庁相互協議室から庁担当課を通じて、当該税務当局によって当該事前確認の申出に相当する申出が収受された旨又は収受される見込みとなった旨の連絡を受けていない場合
ハ 事前確認の申出が、過去に庁相互協議室から庁担当課を通じて相互協議の合意が成立しなかった旨の通知を受けたものとその内容において同一であると認められる場合
(注)1 「その内容において同一であると認められる場合」とは、例えば、確認対象取引、確認対象取引に係る国外関連者及び確認対象取引に係る独立企業間価格の算定方法等が、確認対象事業年度のうち3事業年度以上において同一であると認められる場合をいう。
2 事前確認の申出のうち過去に相互協議の合意が成立しなかった旨の通知を受けた事前確認の申出とその内容において同一であると認められる部分を除いた残りの部分が一の申出として成立する場合には、一の申出として成立する当該残りの部分について事前確認の申出を取り下げるか否か又は事前確認を求めるか否かを確認申出法人から聴取する。この場合において、局担当課は、確認申出法人が当該事前確認の申出を取り下げるときは、当該確認申出法人に対して取下書の提出を求めた上で、6-9に定める処理を行い、当該確認申出法人が事前確認を求めるときは、(1)から(3)までに定める処理を行う。
(3) 相互協議を伴わない事前確認の申出について、事前確認審査の結果、その国外関連取引に係る独立企業間価格の算定方法等が最も適切な方法であると認められる場合又は局担当課が事前確認の申出の修正を求め、確認申出法人が当該修正に応じた場合には、局担当課は、速やかに所轄税務署長等に事前確認を行う旨を連絡する。この場合において、確認申出法人が当該事前確認の申出の修正に応じないときは、6-14(1)ヘの定めに該当することに留意する。
(4) 局担当課は、6-14(1)の定めにより確認申出法人に対して事前確認を行うことができない旨を説明した場合には、速やかに、その旨を所轄税務署長等に連絡する。
(5) 所轄税務署長等は、確認申出法人に対し、局担当課から(1)又は(3)の連絡を受けたときは、速やかに、別紙様式3により作成した「独立企業間価格の算定方法等の確認通知書」により事前確認を行う旨の通知を行い、また、(4)の連絡を受けたときは、速やかに、別紙様式4により作成した「独立企業間価格の算定方法等の確認ができない旨の通知書」により事前確認を行うことができない旨の通知を行う。
6-16 事前確認の効果
6-16 所轄税務署長等は、6-15(5)の取扱いにより事前確認を行う旨の通知を受けた法人(以下「確認法人」という。)が事前確認を受けた各事業年度(以下「確認事業年度」という。)において、事前確認を受けた国外関連取引(以下「確認取引」という。)について事前確認の内容に適合した申告を行っている場合には、当該確認取引は独立企業間価格で行われたものとして取り扱う。
なお、事前確認を行う旨の通知があった時に既に経過した確認事業年度がある場合において、当該通知又は局担当課による行政指導により当該確認事業年度に係る申告を事前確認の内容に適合させるために確認法人が自主的に提出する修正申告書は、国税通則法第65条第1項及び第5項(過少申告加算税)に規定する「更正があるべきことを予知してされたもの」には該当しないことに留意する。
また、修正申告書が同条第5項の調査通知後に提出された場合であっても、事前確認の内容に適合させるための部分は、同項に規定する「調査通知がある前に行われたもの」として取り扱うことに留意する。
6-17 報告書の提出
6-17 所轄税務署長等は、確認法人に対し、確認事業年度の確定申告書の提出期限又は当該所轄税務署長等があらかじめ定める期限までに、次の事項を記載した資料を添付した「独立企業間価格の算定方法等の確認に関する報告書」を別紙様式8により作成し、これを当該所轄税務署長等に提出するよう求める。
なお、当該報告書の提出部数は、調査課所管法人に該当する確認法人にあっては1部、調査課所管法人に該当しない確認法人にあっては3部とする。
(1) 確認法人が確認取引について事前確認の内容に適合した申告を行っていることの説明
(2) 確認法人及びその国外関連者の確認取引に係る損益の明細並びに当該損益の額の計算の過程を記載した書類(事前確認の内容により局担当課が必要と認める場合に限る。)
(3) 事前確認の前提となった重要な事業上又は経済上の諸条件の変動の有無に関する説明
(4) 確認取引の対価の額が事前確認の内容に適合しなかった場合に、確認法人が行った6-19(2)に定める対価の額の調整の説明
(5) 確認法人及び確認取引に係る国外関連者の財務状況
(6) その他確認事業年度において確認取引について事前確認の内容に適合した申告が行われているかどうかを検討する上で参考となる事項
(注) 当該所轄税務署長等があらかじめ定める期限が日曜日、祝日法に規定する休日その他一般の休日又は国税通則法施行令第2条第2項に規定する日に当たるときは、これらの日の翌日までに提出するよう求める。
6-18 報告書の取扱い
6-18
(1) 確認法人から、6-17に定める報告書の提出があった場合には、署法人課税部門又は局調査課は6-5及び6-6の取扱いに準じて処理を行う。
(2) 局担当課は、当該報告書に基づき、確認取引について事前確認の内容に適合した申告が行われているかどうかを検討する。
(3) 局担当課は、当該報告書の検討において、確認法人に接触する場合には、原則として、行政指導として行うことに留意し、確認事業年度において確認取引について事前確認の内容に適合した申告が行われておらず、所得の金額が過少となっていると疑われる場合には、当該確認法人に対して自発的な見直しを要請した上で必要に応じて修正申告書の自発的な提出を要請する。
確認法人が行政指導に応じない場合には、調査に移行することに留意し、局担当課は国税通則法に規定する調査手続に従って調査を実施する。また、局担当課は、調査の結果、確認事業年度において確認取引について事前確認の内容に適合した申告が行われておらず、所得の金額が過少となっている事実が判明した場合には、当該確認法人に対し調査の結果を説明した上で修正申告書の提出が必要となる旨を説明する。
なお、確認法人に対し調査又は行政指導に当たる行為を行う際は、対面、電話、書面等の態様を問わず、いずれの事務として行うかを明示した上で、それぞれの行為を法令等に基づき適正に行うことに留意する。
(注) 局担当課による行政指導により、当該確認法人が自主的に修正申告書を提出する場合には、当該修正申告書は、国税通則法第65条第1項及び第5項に規定する「更正があるべきことを予知してされたもの」には該当しないことに留意する。
また、修正申告書が同条第5項の調査通知後に提出された場合であっても、事前確認の内容に適合させるための部分は、同項に規定する「調査通知がある前に行われたもの」として取り扱うことに留意する。
(4) 局担当課は、必要に応じ当該報告書の検討結果を庁担当課に報告し、相互協議の合意が成立した事案については庁担当課を通じて検討結果を庁相互協議室に連絡する。
6-19 事前確認に基づく調整等
6-19
(1) 所轄税務署長等は、確認法人が確認取引の対価の額を事前確認の内容に適合した額とするために、確定した決算において行う必要な調整は、移転価格税制の適用上適正な取引として取り扱う。
(2) 局担当課は、(1)の調整を行うことができなかった場合における確認法人の確認取引の対価の額の調整(以下6-19において「補償調整」という。)について、次の処理を行うよう指導する。
イ 確認法人は、確認事業年度に係る確定申告前に、確定した決算における確認取引の対価の額が事前確認の内容に適合していないことにより所得の金額が過少となることが判明した場合には、申告調整により当該所得の金額を修正する。
ロ 確認法人は、確認事業年度に係る確定申告後に、確認取引の対価の額が事前確認の内容に適合していないことにより所得の金額が過少となっていたことが判明した場合には、速やかに修正申告書を提出する。
ハ 確認法人は、確認事業年度に係る確定申告前に、確定した決算における確認取引の対価の額が相互協議の合意が成立した事前確認の内容に適合していないことにより所得の金額が過大となることが判明した場合には、補償調整に係る相互協議の合意内容に従い、申告調整により当該所得の金額を修正することができる。
ニ 確認法人は、確認事業年度に係る確定申告後に、確認取引の対価の額が相互協議の合意が成立した事前確認の内容に適合していないことにより所得の金額が過大となっていたことが判明した場合には、補償調整に係る相互協議の合意内容に従い、国税通則法第23条第2項(更正の請求)の規定に基づき更正の請求を行うことができる。
6-20 事前確認の改定
6-20 確認法人から、確認事業年度のうちのいずれかの事業年度において、事前確認を継続する上で前提となる重要な事業上又は経済上の諸条件等について事情の変更が生じたことにより事前確認の改定の申出がなされた場合には、6-1から6-19までの取扱いに準じて所要の処理を行う。
6-21 事前確認の取消し
6-21
(1) 局担当課は、次のイからハまでに該当する場合には、それぞれの事実の発生した事業年度以後の確認事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度を含む。以下6-21において同じ。)について、ニに該当する場合には確認事業年度について、事前確認を取り消す旨を所轄税務署長等に連絡する。
イ 確認法人が6-20に定める事情の変更が生じたにもかかわらず事前確認の改定の申出を行わなかった場合
ロ 確認法人が確認取引について事前確認の内容に適合した申告を行わなかった場合
ハ 確認法人が6-17に定める報告書を提出しなかった場合又は当該報告書に重大な誤りがあった場合
ニ 事前確認の基礎とした事実関係が真実でない場合又は事前確認の申出の内容に重大な誤りがあった場合
(2) (1)の取消しの連絡を行う場合、局担当課は必要に応じ庁担当課と協議を行う。
(3) 相互協議の合意が成立した事前確認について(1)の取消事由が生じている場合には、局担当課は、庁担当課を通じ、庁相互協議室と協議し、当該事前確認につき事前確認を取り消す旨の相互協議の合意を受け、その旨を所轄税務署長等に連絡する。
(4) 所轄税務署長等は、確認法人に対し、局担当課から(1)又は(3)の連絡を受けたときは、速やかに、別紙様式5により作成した「独立企業間価格の算定方法等の確認取消通知書」により事前確認を取り消す旨の通知を行う。
6-22 事前確認の更新
6-22 確認法人から事前確認の更新の申出がなされた場合には、6-1から6-21までの取扱いに準じて所要の処理を行う。
6-23 確認対象事業年度前の各事業年度への準用
6-23 確認申出法人から確認対象事業年度における独立企業間価格の算定方法等を確認対象事業年度前の各事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度を含む。以下6-23において同じ。)に準用したい旨の申出があった場合において、その事前確認の申出が相互協議の申立てを伴うものであって、当該申出に係る独立企業間価格の算定方法等が確認対象事業年度前の各事業年度においても最も適切な方法であると認められるときは、6-15、6-16、6-19及び6-21の取扱いに準じて所要の処理を行う。
なお、確認対象事業年度前の事業年度が連結事業年度に該当する場合で、確認申出法人が当該連結事業年度において連結子法人であったときは、当該連結事業年度における当該確認申出法人の連結親法人であった法人が、確認対象事業年度における独立企業間価格の算定方法等を当該連結事業年度へ準用することについて同意していることを確認申出書等により確認する。この場合において、当該確認申出法人の所轄税務署長等は、当該確認申出書等の写しを当該法人の所轄税務署長等に送付する。
第7章 平成29年1月31日付官協8-1ほか7課共同「日台民間租税取決め第24条(相互協議手続)の取扱い等について」(事務運営指針)(以下「日台相互協議指針」という。)に定める相互協議が行われる場合の取扱い
第1章から第6章まで及び別冊「移転価格税制の適用に当たっての参考事例集」の定めは、措置法第66条の4に関し、日台相互協議指針1(5)(用語の意義)に定める相互協議が行われる場合について準用する。この場合において、次の表の左欄に掲げる定め中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の右欄に掲げる字句に読み替える。
| 1-1(39) | 租税条約の規定に基づく我が国の権限ある当局と外国の権限ある当局との協議 | 平成29年1月31日付官協8-1ほか7課共同「日台民間租税取決め第24条(相互協議手続)の取扱い等について」(事務運営指針)(以下「日台相互協議指針」という。)1(5)(用語の意義)に定める相互協議 |
| 1-2(2)、3-22、6-14(2)ロ及び別冊「移転価格税制の適用に当たっての参考事例集」事例31 | 合意 | 解決 |
| 3-4(4)ロ、3-22及び5-2 | 外国税務当局 | 台湾の権限のある機関 |
| 3-27 | 租税条約のうちには当該差額について租税条約上の軽減税率が適用されない定めがあるものがある | 外国居住者等の所得に対する相互主義による所得税等の非課税等に関する法律(以下「外国居住者等所得相互免除法」という。)においては、外国居住者等所得相互免除法第15条(配当等に対する源泉徴収に係る所得税の税率の特例等)に規定する対象利子又は対象使用料と独立企業間価格との差額について同法上の軽減税率が適用されない定めがある |
| 5-2 | 国外関連者に対して | 外国居住者等所得相互免除法第14条第1項(外国関連者との取引に係る課税の特例)に規定する外国関連者(日台相互協議指針1(17)(用語の意義)に定める台湾居住者等のうち外国法人に限る。以下5-2及び5-3において同じ。)に対して |
| 5-2 | 相互協議の合意に基づく | 同項に規定する国税庁長官の確認があったことによる |
| 5-2 | 国外関連者に対し返還 | 外国関連者に対し返還 |
| 5-3 | 相互協議の合意に基づく | 外国居住者等所得相互免除法第14条第1項に規定する国税庁長官の確認があったことによる |
| 5-3 | 国外関連者 | 外国関連者 |
| 5-3 | 租税条約等実施特例法第7条第1項(租税条約に基づく合意があつた場合の更正の特例) | 外国居住者等所得相互免除法第32条第2項(国税庁長官の確認があつた場合の更正の請求の特例等)の規定により準用される租税条約等実施特例法第7条第1項(租税条約に基づく合意があつた場合の更正の特例) |
| 6-12(1) | 平成13年6月25日付官協1-39ほか7課共同「相互協議の手続について」(事務運営指針)6(1)(相互協議の申立ての手続)に定める「相互協議申立書」 | 日台相互協議指針4(1)(相互協議の申立ての手続)に定める「相互協議申立書(台湾用)」 |
| 6-12(2) | 当該国外関連者の所在する国又は地域の税務当局 | 台湾の権限のある機関 |
| 6-14(2)ニ及び6-15(2)ロ | その所在する国又は地域の税務当局 | 台湾の権限のある機関 |
| 6-14(2)ニ及び6-15(2)ロ | 当該税務当局 | 当該権限のある機関 |
| 6-15(1)、6-18(4)、6-19(2)ハ及びニ並びに6-21(3) | 相互協議の合意が成立した | 相互協議において解決に至った |
| 6-15(2)イ及びハ | 相互協議の合意が成立しなかった | 相互協議において解決に至らなかった |
| 6-19(2)ハ及びニ | 合意内容 | 解決内容 |
| 6-19(2)ニ | 国税通則法第23条第2項(更正の請求) | 外国居住者等所得相互免除法第32条第1項 |
| 6-21(3) | 合意を受け | 解決を受け |
| 別冊「移転価格税制の適用に当たっての参考事例集」事例30及び事例31 | 両国の税務当局 | 我が国の権限ある当局と台湾の権限のある機関 |
| 別冊「移転価格税制の適用に当たっての参考事例集」事例31 | 税務当局間が相互協議を行い | 相互協議において |
第8章 平成17年4月28日付査調7-4ほか3課共同「連結法人に係る移転価格事務運営要領の制定について」(事務運営指針)(以下「連結指針」という。)の廃止に伴う経過的取扱い
8-1 連結法人の連結事業年度に係る移転価格税制に関する事務運営
8-1 令和4年4月1日以後の連結法人に係る移転価格税制(旧措置法第68条の88の規定(第3項を除く。)をいう。第8章において同じ。)に関する事務運営についてはこの章の取扱いによることとし、この場合の用語の意義及び事務運営の基本方針(別冊の活用を含む。)、国別報告事項、事業概況報告書及びローカルファイル、調査並びに独立企業間価格の算定等における留意点の取扱いについては第1章から第4章まで(3-23を除く。)の取扱いを準用する。
8-2 連結事業年度に係る国外移転所得金額等の取扱い
8-2 連結事業年度の連結所得に係る国外移転所得金額等の取扱いについては次の(1)から(3)までに定めるところによる。なお、令和4年4月1日以後に開始する事業年度の国外移転所得金額等の取扱いについては、第5章の取扱いによることに留意する。
(1) 連結親法人が自己又はその連結子法人について国外移転所得金額の返還を受ける予定であるため、租税特別措置法関係通達(連結納税編)(以下8-2において「措置法連結通達」という。)68の88(11)-2(国外移転所得金額の返還を受ける場合の取扱い)に定める書面を提出した場合において、その連結親法人又は連結子法人が、当該書面に記載された金額の全部又は一部について返還を受ける予定の日後に返還を受けたときは、予定日後に返還を受けたことについて合理的な理由があるかどうかを検討した上で、措置法連結通達68の88(11)-2の取扱いの適用の有無を判断する。
(注) 措置法連結通達68の88(11)-2に定める書面の様式に関し、連結法人から照会があった場合には、「国外移転所得金額の返還に関する届出書」(別紙様式1)を用いて差し支えない旨当該連結法人に回答する。
(2) 連結事業年度について外国税務当局が連結法人の国外関連者に対して移転価格税制に相当する制度に基づき課税を行った場合において、相互協議の合意に基づく対応的調整により当該連結法人(当該連結法人が連結子法人である場合には、当該連結法人の連結親法人)が減額更正を受け、当該減額更正を受けた金額の全部又は一部をその国外関連者に対し返還しているときは、当該返還した金額は損金の額に算入されないことに留意する。
(3) 相互協議の合意に基づく対応的調整により、連結事業年度に係る減額更正を行う場合において、連結法人が減額される連結所得金額の全部又は一部を合理的な期間内に国外関連者に対して返還することとし、当該連結法人(当該連結法人が連結子法人である場合には、当該連結法人の連結親法人)が租税条約等実施特例法第7条第1項に規定する更正の請求を行うとともに、次に掲げる内容を記載した「対応的調整に伴う返還に関する届出書」を別紙様式7により作成し、これを所轄税務署長等に届け出たときには、その返還することとした金額を当該国外関連者に対する未払金として処理することに留意する。
イ 連結親法人の法人名
ロ 連結親法人の納税地
ハ 連結親法人の代表者氏名
ニ 返還する連結子法人の法人名
ホ 返還する連結子法人の本店又は主たる事務所の所在地
ヘ 返還する連結子法人の代表者氏名
ト 国外関連者名及び所在地
チ 返還する予定の日
リ 返還する金額(外貨建取引の場合は、外国通貨の金額を併記する。)
ヌ 返還方法
(注) 外貨建ての取引につき返還することとして届け出る金額は、連結納税基本通達17-1-2(外貨建取引及び発生時換算法の円換算)の規定に基づき円換算した金額とし、当該金額とその返還を行った日の外国為替の売買相場によって円換算した金額との差額は、その返還を行った日の属する連結事業年度の益金又は損金の額に算入する。
8-3 事前確認に係る取扱いの準用
8-3 連結事業年度に係る事前確認の事務運営については、第6章の取扱いを準用する。
この場合における6-15の取扱いについては、事前確認の対象となる取引を行う連結法人が連結事業年度において連結子法人である場合には、事前確認の申出を行った連結親法人の納税地を所轄する局担当課は、次に掲げる連結子法人の区分に応じ、それぞれ次に定める部署に速やかに所要の連絡を行うことに留意する。
イ 調査課所管法人に該当する連結子法人 当該連結子法人の本店又は主たる事務所の所在地を所轄する局調査課
ロ 調査課所管法人に該当しない連結子法人 当該連結子法人の本店又は主たる事務所の所在地を所轄する局法人課税課を経由して当該連結子法人の本店又は主たる事務所の所在地を所轄する署法人課税部門
8-4 連結法人が行った事前確認の申出のうち、事前確認を行う旨の通知を受けていないものの取扱い
8-4
(1) 事前確認(連結事業年度及び令和4年4月1日以後に開始する事業年度について確認を受けようとする事前確認に限る。)を受けようとする国外関連取引を行う法人(以下8-4において「継続確認対象法人」という。)が、当該事業年度において行う当該国外関連取引(以下8-4において「継続確認対象取引」という。)について引き続き事前確認の申出を行ったものとして取り扱われることを求める場合には、当該継続確認対象法人の所轄税務署長等は、当該継続確認対象法人に対し、「連結納税制度の廃止に伴う事前確認継続届出書」(以下「継続届出書」という。)を別紙様式6により作成し、速やかに当該所轄税務署長等に提出するよう求める。
なお、継続届出書の提出部数は、調査課所管法人に該当する継続確認対象法人にあっては1部(継続確認対象法人が相互協議を伴う事前確認を求めている場合には2部)、調査課所管法人に該当しない継続確認対象法人にあっては3部(継続確認対象法人が相互協議を伴う事前確認を求めている場合には4部)とする。
(2) 継続確認対象法人からその所轄税務署長等に対し、継続届出書の提出があった場合には、6-5及び6-6の取扱いに準じて処理を行う。この場合において、当該継続確認対象法人が連結事業年度において連結子法人であったときは、当該所轄税務署長等は、当該継続届出書の写しを当該継続確認対象法人の連結親法人であった法人の所轄税務署長等に送付する。
(3) 継続確認対象法人から継続届出書の提出があった場合の当該継続確認対象法人に係る事前確認については、当該継続確認対象法人から当該継続確認対象法人の所轄税務署長等に対し、6-2に定める事前確認の申出が行われたものとして取り扱う。
(4) 継続確認対象法人が、継続確認対象取引について、事前確認の申出を行ったものとして取り扱われることを求めない場合又は継続届出書の提出がない場合には、(1)の事前確認の申出を行った連結親法人であった法人の所轄税務署長等は、当該法人に対して継続確認対象取引については事前確認を受けない旨の事前確認の申出の修正を求める。
8-5 連結法人が行った事前確認の申出のうち、既に事前確認を行う旨の通知を受けているものの取扱い
8-5
(1) 事前確認(連結事業年度及び令和4年4月1日以後に開始する事業年度について確認を受けようとする事前確認に限る。)を受けた国外関連取引を行う法人(以下8-5において「継続確認法人」という。)が、当該事業年度において行う当該国外関連取引(以下8-5において「継続確認取引」という。)について、引き続き事前確認を受けたものとして取り扱われることを求める場合には、当該継続確認法人の所轄税務署長等は、当該継続確認法人に対し、継続届出書を別紙様式6により作成し、速やかに当該所轄税務署長等に提出するよう求める。
なお、継続届出書の提出部数は、調査課所管法人に該当する継続確認法人にあっては1部(継続確認法人が相互協議を伴う事前確認を求めている場合には2部)、調査課所管法人に該当しない継続確認法人にあっては3部(継続確認法人が相互協議を伴う事前確認を求めている場合には4部)とする。
(2) 継続確認法人からその所轄税務署長等に対し、継続届出書の提出があった場合には、6-5及び6-6の取扱いに準じて処理を行う。この場合において、継続確認法人が連結事業年度において連結子法人であったときは、当該所轄税務署長等は、当該継続届出書の写しを当該継続確認法人の連結親法人であった法人の所轄税務署長等に送付する。
(3) 継続確認法人から継続届出書の提出があった場合の継続確認取引については、当該継続確認法人の所轄税務署長等から当該継続確認法人に対し、6-15に定める事前確認を行う旨の通知が行われたものとして取り扱う。
(4) 継続確認法人が、継続確認取引について事前確認を受けたものとして取り扱われることを求めない場合又は継続届出書の提出がない場合には、 (1)の事前確認を受けた連結親法人であった法人の所轄税務署長等は、当該法人に対して継続確認取引については事前確認を受けない旨の8-3により準用して取り扱われる6-20に定める事前確認の改定の申出を求める。
8-6 令和4年4月1日以後に開始する事業年度のみを確認対象事業年度とする事前確認の申出
8-6 法人が、令和4年4月1日以後に開始する事業年度において行う国外関連取引についてのみ事前確認を受けようとする場合には、当該法人が連結事業年度において連結子法人に該当するときであっても、第6章の取扱いによることとする。この場合においては、連結指針を廃止するまでの間であっても、当該法人が事前確認の申出を行うことに留意する。
経過的取扱い・・・金融取引及び費用分担契約に係る改正通達の適用時期
令和4年6月10日付査調12-100ほか3課共同「「移転価格事務運営要領」の一部改正について」(事務運営指針)によるこの事務運営指針の取扱いの改正及びこの改正に伴う別冊「移転価格税制の適用に当たっての参考事例集」の変更部分は、法人の令和4年7月1日以後に開始する事業年度分の法人税の調査又は事前確認審査について適用し、法人の同日前に開始した事業年度分の法人税の調査又は事前確認審査については、なお従前の例による。
(以上)
